霧氷は泣き崩れた瑠璃を見て、しまったと思った。
大丈夫だなんて、言ってはいけなかった。それでも、瑠璃は抱きついてこなかったからとりあえずセーフだな。と安堵した。
あのとき、抱きついてこられたら氷雨との関係を壊してしまう。儚い、惨めな2人がいなければいけない。
この子は本当に、可哀想だ。
こんなに惨めな人は見たことない。人からの、大丈夫。という言葉でこんなにも心を折られるだなんて。
甘えたいのに自分がそれを許さない。だから甘えられない。
だから大丈夫。というと言葉に瑠璃はいつも鼈甲飴を流す。
本当に可哀想だ。
今この子が下を向いていて良かった。今見たら、私のことを怖がってしまうかもしれない。
霧氷は瑠璃の頭を見ながら、赤い目をドロドロに溶かしたような、マグマの煮えたような、ジャムの沸騰したよな、赤い赤い目をしていた。
頬は紅く染め上がり、吐息が漏れてしまわないよに唇を噛んだ。
快楽に身を任せまいと耐えている霧氷はたった今、性行為を行ったような表情だった。
本当に、本当に好きだ。
瑠璃が好きだ。もっと悲しんでいい。悲しめばいい。
鼈甲飴も青い薔薇も好きになった。それを見ると瑠璃の分身だとおもうから。
抱きしめることもできない霧氷は自分の腕をさすった。
本当に、可哀想な瑠璃。
もっともっと、氷雨を求めればいい。そしたら、また、綺麗な青い薔薇を吐いてくれ。そして、鼈甲飴を流してくれ。
そう、瑠璃の泣く姿を見ながら願った。
top
← →
Backindex