血というのは、不死だ。

血の元である赤血球は約120日経つと死ぬ。
そこから、ヘモグロビンというのが新しい赤血球を作る。その時古くなった赤血球から鉄分をもらう。

そう永遠に、その人が死ぬまで身体の中で巡り続ける。
たとえ、その人が死んでも血を保存して、他人に輸血したとしても、その人の血じゃなくなっても、血は生き続ける。

故に、血は不死である。


血とは縁だ。

父親と母親の間にある息子がいた。息子は母親と寝て、娘が出来た。
娘は、父親という兄から愛され、それに嫉妬した母親から虐待を受け、祖父という父から無視や言葉による虐待を受けた。
その娘は世間的には娘として籍に入ったが、その娘と父親という兄との間に、子供ができた。
この息子に祖父にあたる者は怪訝に思い、祖母にあたる者は母似の顔にキレて暴力を振るった。
父にあたる者は母にあたる者を愛する為に子供を降ろせと命じたが、母にあたる者は降ろさなかった。それに父にあたる者は逆らったことに暴力を振るった。

彼が12歳になった時、母にあたる者に抱かれた。
母にあたる者も父親という兄に抱かれたのだ。"普通"のことをした。
その行為をなんとなく断ると、いつもタバコの跡が残った。

背中に無数に、てんてんと、黒い丸が、残った。

それを父にあたる者は怒った。自分以外に抱かれるだなんてと。
母にあたる者は、彼が14歳の時死んだ。
父親という兄に暴力を振るわれることを怖がった。
彼女が母親から受けた暴力は憎しみや怒りで、これは異常だとわかっていた。
しかし、彼はなにも知らない。
戸籍が無い彼だ。学校なんて行ってない。知識は母にあたる者からもらった。足りない足りない知識を。
祖母にあたる者から受ける暴力は憎しみや怒りは自分には当てられてないからだ。
痛かったが、母にあたる者からの躾は当たり前のものだと思っていた。
祖母にあたる者は、母にあたる者が消えて喜んだ。

彼は父にあたる者から性虐待を受けた。
祖母にあたる者から顔があの女に似てると暴力を受けた。祖父にあたる者から無視された。



暴力を受けるのは当たり前だ。
見てみる振りも当たり前だ。
性虐待は性虐待じゃない。
性行為を親とするのは当たり前だ。
無視されるのは当たり前だ。
愛されないのは当たり前だ。
愛とはなんだ。
父や母は愛し愛されてた。
愛はないのが当たり前だ。
そもそもあるものなのか。

その毒は、彼をグルグルと、かき乱しだ。






血は不死だ。
血は縁だ。

背中の蜘蛛は歪に線を伸ばす。
二度と抜けられないその場所は彼にとっては何もない普通の家だ。

血は死なない。
血は消えない。
血とは魂だ。
赤く黒く、その体を巡りに巡って全てを作る

彼はきっと死なないだろう。
その血はまた、きっと何処かへ繋がる。
死なない血は、また他へ流れていく。

彼は血を知った。
この憎い血が他人へ入ることを、願った。

だから、彼は死なない。

故に、血は死なない。



ーおめでとうございます!元気な赤ちゃんですよ!



蜘蛛に毒された。



ー可愛らしい、女の子ですよ

 

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