晴矢ルート

サブクエストでまあまあ強めの魔物を倒したかと思ったら最後の一撃をルイルが喰らいそうになったところ、晴矢がそれを庇う。傷は深く瘴気を浴び、回復呪文を唱えても良くはならずにいた。呪いの1種の様で大本を倒さないと回復しないらしい。近くの村まで後退しルイルは責任を感じ日中は大本の魔物を探し、夜は晴矢につきっきりという状態であった。

今は小康状態である晴矢のベッド脇には椅子に座り彼の手を握っているルイルの姿が。

「ルイル」
「風介…」
「まだ寝てなかったのか」
「…ここまで来ると意地でも起きてやるわ」
「はぁ。だと思ったよ」

風介の方をちらりと見ては晴矢に向き直り、彼の手を握る力を込めるルイル。疲れを帯びたその顔色や余裕のない表情に風介は、さらに深いため息を吐く。そしてこちらを見ろ、と言わんばかりにルイルの顔を至近距離で覗き込んだ。

「分かってると思うけどルイルまで倒れたら本末転倒だからね。起きた脳筋ゴリラも怒り狂う未来が見えるよ」
「………」
「………ルイル」
「わかった。少し仮眠をとるわ」

フラフラと立ち上がったルイルを支え、部屋まで連れていく。


休む事もなく元凶の魔物を探し次々と襲いかかってくる魔物を焦ったようになぎ倒していく彼女の疲労はだいぶ蓄積されていたようだ。フラフラとする彼女を見ていられず風介はそのまま横抱きにし睡眠魔法をかけベッドに下ろすと、規則正しい寝息が聞こえてきた。そこへヒロトがやってくる。

「風介。晴矢とルイルは?」
「ヒロトか。脳筋ゴリラは変わらずさ。ルイルは…案の定さっきまで付き添ってたよ。別室まで連れて行った」
「そう。ありがとう風介。あ、元凶の魔物は倒してきたよ」
「?! ヒロト、また何か力を使っただろう。3人がかりでも見つからかったのに、ましてやユニークモンスターを…。明らかに不自然すぎる」
「………心配いらないよ。晴矢はもう問題ないとして、瑠流のこと、頼んだよ風介」

ルイルの寝顔を横目にその場を後にするヒロト。ヒロトの不可解な点に胸がざわつく風介であったがルイルが寝返りをうつ音に我に返り、想いを寄せる彼女の寝顔を眺める。無意識の内に柔らかい頬に手を添え優しく撫でていた。






「あ?なんで俺は寝てんだ」

自分は何をしていたんだ。窓から差し込むぼんやりとした光。小鳥のさえずり。…朝、か。なんとなく五感がもどり晴矢は昨日の記憶を辿る。
意識が飛ぶ寸前に泣きっ面で駆け寄ってきた怪力女を思い出す。ルイル、ルイルはどこだ?探しに部屋を飛び出す。

「…んだよ、呑気に寝やがって」

すぐ隣の寝室のベッドに横になっている彼女の寝顔を見て安堵する。俺も人のこと言えないけど。

「はぁ、かっこわりい」






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未完成だけど自分の資料的にも置いておく!