大団円後の吉良ルート
前置き
ルイルは吉良に恋愛感情がある事を直接伝えるも、吉良はそれを受け止めつつ返事はちゃんとしてない現状。



ル「ヒロトさん!大好き!」真正面からぎゅー
吉「うん!俺も大好き!」ぎゅー

とある日の夜の緊急会議・3TOP招集される
ル「…見ててわかると思うけど、完全に妹だと思われてるわ」
ヒ「小さい頃の印象がまだ大きいよねぇ」
ル「…魅力が足りないのかしら」
風「有り余ってるぐらいだけど」自然にハグ
ル「ふふん、さすが風介。よく見てくれてる」
晴「…(羨ましいという目で風介を睨む)」
ヒ「はいはい、風介、兄さんに見られてたら本当に殺されるよ」引き離す
晴「で?ルイルはどうしたいんだよ」
ル「…。対等に、ヒロトさんと、この先もずっといたい」
ヒ「ルイル」
それ、きっと兄さんも同じこと考えてるよ。困ったように笑ったヒロト。
ヒ「同じだから、この先も平行線。お互いもっとワガママになっていいんだよ。素直になりなって」
風晴「(………。)」
ヒ「俺達3人の告白みたいにね」
晴「ばっ、おま…!」
風「いつでもルイルを連れ去る気はあるから。一生君しか愛さないよ」(真剣)
晴「…。オレは、お前しか好きじゃねぇし家族とも認めねぇから。吉良さんは別だけど」(そっぽ向きながら)
ふふ、と2人を見て微笑みヒロトは最愛の女に振り返る。
ヒ「ね、ルイルは、どうしたい?」

ル「…わたしは、1人の女の人として、ヒロトさんに見てほしい」


帰路の途中3TOP
晴「吉良さんも頑なだよなぁ」
風「変なところで規制かけてる」
ヒ「……優しさ故だよ」
傍から見ると普通だが、幼なじみ2人から見たヒロトの落ち込み様に、晴矢と風介は顔を見合わせた。
吉良ヒロトの事は、当事者の彼が1番よくわかっていた。分かっていて、誰よりもルイルを好きでいた。
項垂れそうになる親友の首に手を回した晴矢と風介。
晴「お前なぁーー痩せ我慢すんなよーー」
風「君が特に傷が深いのは理解してるつもりだよ」
ヒ「晴矢...風介…」
晴「ま、相手が吉良さんじゃ勝ち目ないわな」
風「完敗だけに乾杯」
晴「ほらみろ、再度玉砕された風介がなんも上手くも面白くもないボケかまして滑ってるぜ。この世の終わりだ」
風「ルイルが他の男とイチャコラしてるの耐えらない、ルイルと私以外全部滅べばいいのに」
晴「あーあー本音ダダ漏れ。吉良さんに聞かれててもしーらね」
風「…。ヒロト。ほんとに辛かったら、離れてもいいんじゃない?」
ヒ「…。すぐ、答えは出ないかな」
晴「そりゃそーだ。んじゃ、行くぞ飲みに」
ヒ「え?ほんとに乾杯するの?」


酒屋にて泣き崩れるヒロトを介抱するカオス。
翌日スッキリしたヒロトがルイルと吉良の背中を押すべくデートを考案。カオスも巻き込む。


3TOP考案の吉瑠のデート決行日。こっそり後をつける3TOP。吉良さんの背中押す。「ルイルに告白しろ」と。吉良も意を決して伝えようと覚悟を決めたその帰り道での事↓



「……ルイルー?」

先に戻ってるね!と帰路の途中、我が家が見えてきたと思ったら吉良と繋いでいた手を解き瑠流は駆け出した。声をかける間もなくダッシュした彼女に、どこかで見た光景だなぁと吉良は笑う。

扉前まで来て、仕掛け人にたずねる。が、応答はない。入っても良いという事でいいのか。一応「入るよー?」と静かに扉を引いた。
開けると部屋は暗く、あかりひとつない。これも見たことある光景だ。確かあの時は恵那姫さんもいたな。内心懐かしさでニコニコと笑みが止まらない。あの時のように、星の力で何かしてくれるのだろうとそこまでは読めた吉良が、しばらくその場で静止。すると、ぱっと、天井が明るくなり複数の光の球が降り注いだ。暖かな光の結晶は吉良の回りを浮遊し、その後ある一点に集中し、淡く光だした。そこにいたのは暗い四隅で膝を抱えて丸くなる、ルイルだった。
通常なら慌てて駆け寄って、なにかあった?誰かにやられた?お兄ちゃんがとっ捕まえてぶっ殺してやる!と血眼なったモンペが出来上がるまでが一連の流れ。今回は面倒極まりないモンスターに化ける事がなかった、その要因は、元勇者の肩が小さく震えていたから。
腰を屈めルイルに優しく声をかけた。

「思い出しちゃったの?」
「…うん」
「まったく。ルイルを泣かせる奴なんてボコボコにしてやろうと思ってたのに。…俺、ダメダメだなぁ」

張本人が自分だったとは。ルイルにとって、また吉良も同様この記憶は2人の宝物。あの時と同じように今度はルイルが主催者側にたったのは良いがまさかこんな情けない姿を見せるとは。
光の魔法を見て、崩れた。声は出さずにルイルは泣き崩れた。大好きな人との思い出が結晶の一つ一つに写り鮮明に蘇って、どんどん、光が増えて。抑えきれなかった気持ちが溢れてしまった。
どう、顔を合わせればよいか分からず、膝を丸めた状態で祝う事になってしまうなんて。
そんな後ろめたさで顔をあげようとしないルイルを吉良は、考えるよりも先に力強く抱き寄せていた。

「…ヒロトさん?」
「あのね、ルイル、」

甘かった。彼女がどんな思いでいたのか。どれくらい、俺との思い出を、大切にしていたのか。自身が思ってた遥か先を見据え、彼女は吉良ヒロトと共に歩みたいと切に願っていたことを。
俺はどうだ。俺に対する愛情は分かっていた、つもりでいた。頭の片隅で、きっとヒロ君たちの元へ戻るだろうと、それならそれで、君の幸せだからいいと。自分の本当の気持ちに蓋を閉めて、そっと見守れればいいと。

「俺は、」

おにいちゃん
ヒロトお兄ちゃん!
ヒロトさん

最初で最後の、奇跡のような君との出会い。
いつの間にか育っていった気持ちは留まる事を知らず、すっぽりと君を覆ってしまう程、大きくなった。自分のこんな性格だから、1度外れてしまったら歯止めが効かなくなるだろうな。
身体を離しルイルの頬に手をあてて。目尻に溜まる涙を親指で拭い、こちらを見つめるルイルに目を細め、吉良は優しく何度も頬を撫でた。
ルイル。最愛の名を呼ぶ。

「好きだ」

好きだ好きだ愛してる。独占欲、執着心、愛欲。愛の言葉は栓であり、蓄積された欲のままに吉良はルイルに口付けをする。突然の接吻に驚くも瞳を閉じルイルは男の背に手を回し身を委ねた。拒まぬ事を口実に、吉良は深く舌を絡ませ、芯を喰らい尽くすよう吐息すら奪い蹂躙する。休む暇もなく舌を絡ませ深く長い口付けが続いた。
ルイルの息が上がっていることに気づき「ごめん」即座に謝った。乱れた吐息にとろんとした目でこちらを見つめるルイル。
ああ、とうとう一線を超えてしまった。紅潮した彼女を前に吉良は内心そう思いながらも、解放された本能のままに囁き、口付けをし、貪る。

「好きだよ、ルイル」
「ヒロトさん…。私も、好き、大好き」

ずっと、こうしたかったの。彼女の方からも強請るような、頭の芯が溶けてしまう甘い口付けに、背徳感はとうに消え正常な思考が出来なくなっていった。彼女を抱き抱えベッドへ。1階のは吉良のものだ、彼の匂いが染み付いた枕をこっそりと嗅いだこともあったなぁと、ルイルはぼんやりとした頭の中で考えているとゆっくりと押し倒されていた。
身体の上には、夢にまで見た好きな男の人が。余裕のなさそうな顔で自身の衣服を緩めルイルを見つめる。ボタンを外す姿を惚けて見てたら、ふ、と吉良が笑う。ルイルを見てなのか、自嘲の笑みなのか、本人でもよく分からなくなっていた。

「ちょっと、というかすごく余裕ないや、俺」
「…ヒロトさんになら、何されてもいい」
「……。泣かせちゃうかもよ?」
「許さないのが自分だったなら、いいんじゃないかしら?」
「あーはは、そうだね。君を泣かせるのもそれを受け止めるのも全部俺だ」

ルイルはもう、俺のものだから。


「君との思い出も、ルイルも、もう手放さない」

「俺の心の幸い。この先も君だけを愛してる」





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memo
執着心、独占欲、愛欲。全てをさらけだしたこの男はーーって最初書いてて、この構文シャイ○ング池崎じゃんって1人で爆笑した。滑らかな言い方何度でも言いたくなる。
この後のはっきん展開は書けたら書きます!