綱海が所属しているサッカー部(サークル)の練習試合を応援する恵那たんと、その後帰宅してイチャイチャするお話。





「っかー楽しかったー!」
「最後のシュート、かっこよかったですよ!」
「だろ〜?俺なりに考えたんだけどよ、」
「そう!あそこでパスを出すかと見せかけて、思いっきりミドルシュート!本当にかっこよくて、わたし、思わず飛び跳ねちゃいましたっ。その前でも―――」

まだ綱海の話途中にも関わらず興奮冷めきれ無い様子で隣を歩く彼女はとても楽しそうに喋り通す。改めて思うが根っからのサッカー好きな彼女に綱海は圧倒されるでもなく、自身も被さるように言葉を重ね、あの動きはこうだ、ああすればもっと裏をかけたかも、など感想から互いに止まらない討論になり。気づいたら恵那のアパート前まで来ていた。ぐーと腹の音が鳴りそこではた、と綱海は話題を変えた。

「もう遅せぇからどっかで食べよーぜ。恵那も疲れてんだろ?」
「ふふ、そうするなら私が先導してましたよ」

話に夢中だったはずなのに、彼女の方が1枚上手だったらしい。そう言う恵那は鍵を取り出し、綱海を自宅にあげる。

「お、いい匂い」
「ちょー…っと待ってて下さいね」

手早く帰宅後の身支度を整え、エプロンをつける。その間にも綱海は慣れた手つきで靴を脱ぎ部屋にあがり、いつものソファーに腰掛けようとしたが。台所に置いてある色とりどりのおかずを見ては「おお〜〜っ」思わず声がもれ、同時に手も伸ばした。
「条介さん〜?」隣で、最後の仕上げだろうフライパンを翻しながら、つまみ食いをしようとする彼を恵那はジト目で見つめた。

「んだよ〜いいじゃんか1口ぐらい」
「行儀が悪いですよ、今出来ますから待っててください」

口を尖らせながらちぇ、とリビングへと向かう綱海にくすくす笑っていると、離れたと思った彼の手が腰に回ってきた。身動きがとりづらく、出来上がった料理をお皿に盛るもぎこちない動きになり上手くいかない。もう、と困った彼氏に振り返ろうとしたが腰に回る腕が少し強くなり耳元で聞こえる彼の声に恵那は出かけた声を引っ込めた。

「ありがとな」
「?」
「俺の好きなものばっかじゃん。いつ作ったんだ?」
「…ふふ。実は今日午後の授業が無くて早めに帰宅してから作ったんです。私も実習中で会えなかった分、喜んで、もらいたくて…。味見はしましたが、条介さんのお口に合うか…」

後半は恥ずかしくて、自分でも何を言っているか分からないほど小さい声だった。
彼女はここ2週間ほど、実習先の寮で過ごしておりつい昨日帰ってきたばかりだった。身体は疲れているはずなのに、好きな人と久しぶりに(たった2週間ではあるが)会えるだけで気持ちは高揚し、気づいたら台所に立っていた。

「っはぁ〜〜〜…」

態勢はそのままに綱海は幸せのため息を吐き「可愛いすぎだろ」と小さく呟いた。ダイレクトに耳にその言葉が響き恵那はさらに顔を赤くする。

「でもこれ食って風呂はいって今日はすぐ寝ろ!」
「え、でも今日の試合の振り返り、」
「それは明日!」

でも、とそれでも一緒に試合の動画を見たいと振り返ろうと反抗気味な彼女に綱海は実力行使にでた。腰をくすぐり彼女の弱い所を攻め立てる。

「じょ、条介さ、くすぐった…ふっ、あははっ」
「休むって言うまで止めねぇからな」
「や、休みます、から!って、どこ触ってるんですか〜!」

悪戯の勢いのまま服の合間に手を差し込もうとしてきたため、さすがにマズイと恵那は器用に綱海の腕からすり抜け何事もなかったように料理をテーブルまで運び始める。耳まで真っ赤にしている彼女の後ろ姿を見てはくつくつと笑いが零れた。




memo:
恵那たん可愛いーー!!!!!こりゃ綱海もちょっかいだしたくもなるわ。分かる。綱恵書いてて思ったけど赤面する敬語ヒロインほんと好き。それを介抱する年上イケイケ兄ちゃんとかベストカップルすぎるよ〜〜〜。
この後は綱海も一緒に寝て疲れすぎない程度にハッキン展開になります(<●><●>カッ)(脳内で妄想して脳イキした)