姥「そろそろ主が現世での仕事から帰ってくる時間だ!みな作業を一時中断!」
「「「はーーーい」」」

審神者レベル100を目前に、男士達は主が主役の宴の準備を進めていた。クッキーを貰ったお礼、審神者の日を改めて祝うため。だが、主は現世で発熱しいつも通りの時間に帰還せず。夜が更けた頃。

『長谷部〜〜今日ってもう日課終わってたっけ〜〜』
「主っ!?顔が真っ青ですよ!?」
『あ〜〜ちょっとお腹からくる風邪ひいちゃってさ〜〜』
「ちょっとどころじゃないです!!あぁクマも酷いですし、なんて可哀想な…」
『大丈夫だよ〜〜。日課の確認と、長谷部の顔が見たかったんだけど。やっぱり心配かけちゃったよね。しっかり現代で治してくるから』
「そんな憔悴しきった顔で…。せめて現代で主のお世話をさせてくだい!あと日課は早朝に終わってます!」
『許可降りてないから、ダメ。その気持ちだけ受け取っておくよ。ごめん、ありがとね』半ば強引に寝室へ戻る
「あっ…主っ…!!」
『っごめん!長谷部!明日はお薬貰って今日よりは元気だと思うから!』ピシャッ
「あ、あるじ〜〜〜〜〜!!」




姥「そんな事が」
長「ひと月前にも、同じ様な症状で倒れてたな」
へ「何故主ばかりあんな酷い目に。俺が変わって差し上げられれば…っ!」
薬「…。大将はよく腹を下すよな」
姥「あんな薄着で足を出してたらな。身体も冷えるだろ」
薬「それは大将のスタイル、ってやつだ。今回と、前回のとでは何かひっかかる事がある」
長「………。丁度ひと月前だ」
薬「ああ。しかも同じ腹からくる風邪。…審神者の霊力と関係してるか分からんが少し思い当たる事が」「丹田(たんでん)で霊薬を作る内丹術、ってのがある。心身を変容させ内なる力を引き出すらしい」※(実際の内丹術を都合よく解釈してます)
へ「霊薬、変容…」

七「上丹田は神(しん)を蔵し、中丹田は気を蔵し、下丹田は精を蔵す」
丙「古くから言われる中国医学の考え、ですね」

へ「七星剣、丙子椒林剣。なぜここに」
七「契約に少々気掛かりな点があってな」
丙「我々も主が心配なのですよ、近侍殿」
へ「………。それで、へそ回りに気が集まるという言い伝えは分かった」
薬「丙子達が行った通り、中国医学から言われてる類だ。要は腹に気をためて霊薬作って全身の悪い所を治す薬ってこった」
へ「体調不良の原因は、その丹田が機能してなかった…だが何故」
丙「霊薬。丹田。臍の別名は神闕(しんけつ)。ヒトが産まれる人体への出入口」
姥「……! まさか。刀剣男士を顕現させる霊力はそこから来てるのか?」
長「なるほど。だが各々特性はある、全ての審神者がそうではない。少なくとも俺は初めて聞いた例だ」
へ「一度に百振りの顕現をした主だ。そこらの審神者より優れた力を持ってるのは至極当然。………。力を使いすぎた代償が巡ってきたというのか?」
薬「……多分な」
七「ひと月前は戦力拡充計画で綺羅星の行く末を見守り、手入れもし、忙しなかった」
丙「最近もまた、短刀育成に特に力を注いでおられる。おそらく長谷部殿のお考えの通りかと」
・・・
姥「霊力枯渇。付喪神の俺たちの方が霊力は遥かに上なんだろ?どうにか分け与える事は出来ないのか」
長「………」
へ「何か、知ってるのか長義」
長「枯渇した力が戻らず、徐々に衰退し最期は…という審神者もいたらしい」
へ「!」
長「各々特性があるって言ったよな。霊力供給も審神者によって違う。仕方によっては、さっき言った事に、」
姥「俺の主だ、そんなこと成るわけがなかろう」
薬「大将は何がなんでも死なせねぇよ」
へ「………」(主の死を想像し酷く動揺し絶句)「あらゆる手段を使ってでも供給する。絶対にだ」

・・・

薬「そういえば。主は子どもが好きで、真正面から抱きつくのが大層安心するって言ってたな」
姥「俺も聞いた事はあるが、主は手入れ以外の接触が苦手だぞ」
薬「あ〜でも小さい短刀達とは自然に抱きついてるぜ。遊び終わった後も元気にしてるし。抱擁説、有力かもしれないな」
長「だが奥方である主が刀といえど主人と同じ背丈の男と抱き合うのは抵抗があるだろう」
へ「確かに接触は苦手だ。だが俺たち刀剣男士達からの願いとあれば、…主のことだから断れないはずだ。半ば強引かもしれないがやる価値はある」
姥「主の力もそろそろ百に達するだろ?祝いの席にて行うのはどうだ?」
「それだ」





数日後
『日課だけをこなしてすぐ現代に帰る日が続いちゃった…。元気にもなったし、今日は本丸に長く居よう』
へ「主!おかえりなさい。今日の体調はいかほど」
『おはよう長谷部!うん、おかげさまでだいぶ元気になったよ〜〜』
へ「ほ、ほんとですか〜〜〜」涙目
『ほんとほんと!心配かけてごめんね、長谷部』
へ「あ、あるじ〜〜〜」
『よしよし。じゃあ今日もちゃちゃっと日課を終わらせよう!』
へ「はい!」



夕方・審神者部屋
姥「主。夕餉の準備が出来たぞ」
薬「大将ー、一緒に行こうぜ。長谷部もな」
『まんばちゃん、薬研!2振り一緒に呼びに来てくれるなんて珍し。皆でいこいこー!』
姥「…いつでもいいぞ」(コソコソ)
へ「…ああ」


食堂
「「「あるじーーー!審神者レベル百到達おめでとうーー!!」」」
『えっ…な!なにこれ!!お祝い?!』
秋田「大阪城攻略中に、達成しましたよね!」
前田「こちらがその証拠です」

『そうそう!嬉しくて写真撮ったやつ!』
厚「俺たちの部隊で達成出来た事、帰ってから皆に自慢しまくったぜ」
信濃「俺だってこのとき隊長だったんだからね!」
博多「誉は俺が1番けん!」
後藤「そりゃ修行行ってきたんだからな!」
一期「はいそこまで。誉ある大阪城攻略部隊の皆は主殿を席まで案内するんだろう?」
秋田「はい!さ、主君。こちらへ!」
『あ、ありがとう秋田くん、みんな…!』

・・・

『(お誕生日席的な所まで案内してくれたけど、ちょっと恥ずかしいな…。でも皆ニコニコしてて楽しそう。飾りもご飯も、内緒で用意してくれてたんだろうなぁ)』
長義「回復したようでよかったよ」
『うん!もう大丈夫、ちょぎも私がいない間に仕事の片付けしてくれてたんだよね。ありがとね』
長義「日々の業務に過ぎないよ。…治って、よかった」
『うっ!!そ、そんな綺麗な顔で本当に心配しました、って表情は病み上がりに刺さる!』
長義「はは、いつも通りの主だね。まあ今夜は素直に、楽しんでくれたまえ。俺もそうするよ」
『え?』

へ「うおっほん!!」(クソデカマイクボイスで壇上に立つ長谷部)
不動「うるっさ…!!へし切ー!もう少しマイクの音量下げろー!」
へ「ええいわかってるわ!」(長義を睨む)

へ「主、突然の宴会に驚かれてると思いますが、少しの間、俺にお時間をいただけないでしょうか」
へ「忙しない現代でお疲れの中、家事をこなしご主人の世話をし審神者業をも怠らずこなす。そして体調を2度も崩されている…っ、もう俺は心配で心配で…!」
日本「それはもういいから本題いけ〜〜」
へ「…。そんな主が主要である、審神者レベル百を達成した。この記念すべき大きな節目に、日頃の感謝を込めて主の為の宴会を全振り一丸となって用意しました」
へ「主あっての、俺たちです。本丸を代表し深く感謝、申し上げます」
『え!あ、そ、それはこっちのセリフだよ…!!ってみんなも頭上げて〜〜!』
へ「あ、あるじ〜〜〜…!!」涙目
姥「そらみろ。いちいちこんなんじゃ司会は務まらんと言っただろ」
薬「だよなぁ。わるいが長谷部、交代だ」
へ「な!」
姥「主。宴会、楽しんでくれ」
『ま、まんばちゃーーん…!』
薬「大将。俺たち全員のお願いもあるんだが…聞いてくれるか?」
『!もちろん!出来ることなら何でも!』


つづく?