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「秀さん!やめよ!?こわいよ!?秀さん!?秀さーんんんん」

「ピーピー鳴いても変わらんよ」


違うよ!違うよ!ねえ!違うから!
半泣きでシートベルトをぐっと掴んだ。とてつもないスピードで首都高を走っていくのにはわけがある。そして私は今とっても無駄に巻き込まれている。聞いてくれ。
なんとキュラソーが本当に警察庁へと侵入を行い、NOCリストを見られてしまったのだ!Oh No……って感じで今それを降谷さんが追って私も秀さんとそれを追っている。秀さん自慢のマスタングでだ。
どうして私がマスタングに?と聞きたくなるよね。ただ帰り道を送って貰うだけだったんだ。それがこんな恐怖のドライブになるとは誰も思わないであろう。私も微塵も思ってもみなかった。とてつもないスピードで並盛とは全然違う方向へと向かう車の中では泣きそうになりながら叫んでいる私と、顔色一つ変えない秀さん。なんなら秀さんは「美しい夜景だろう」とか言い出しててもう壊れてる。どこが美しいの?赤いランプとクラクションの演奏で何が美しいんだと小一時間は問い詰めたい。
突然ガクン、と衝撃が走り慌てて秀さんを見直すと秀さんは隣の車となにか話している。このスピードの中よく話せるヤツがいるもんだな!と思い切り前の方へと上半身を傾けると運転手と目が合った。


「やだ!安室さんか!」

「なっ!!どうして名前が!」

「そんなことよりも早く行かないと逃げられますよ!」

「じゃあ俺達も行くかね……素敵なドライブへ」


加速するスピードが先程よりも上がったのがわかる。これはヤバい。私の本能が逃げるべきだとものすごく叫んでいる。
これでは自分の命が危うい。そう、私はまだ死にたくないのだ。そして痛い思いも一切したくない……つまりはこうだ。


「術士らしく消えさせていただきます」

「おい……!」

「お気をつけて!」


パチン、と指を鳴らして自分の姿を消すことへと意識を集中させて行く。到着地はこの真下で構わないのだ、それだけの力ならとりあえずある と自分に言い聞かせながら少しの浮遊感を感じた。
ふ、と感覚が戻ったところで目を開けると上ではクラクションの音が無数に響いている。
上を見上げたその時、一発の銃声の後に何かが弾けた音がし、続いて何かが爆発をした。ここもやばいな、そう感じた時には後ろで勢いよくなにか落ちた音と共に海の水が跳ね上がる。……予想だが、今後ろで落ちたのは追っていたキュラソーであるのと、銃声は秀さんがライフルで撃った物だろう。降谷さんが所持しているモノとは音が違うし、何より秀さんの車にはライフルが入っていたのを目視したのだ。女相手にも厳しい人である…敵に回したくない人間だ、と改めて思いながら巻き込まれるのは嫌なので何も無かったかのように歩こうとした時にざぱっ、と音が聞こえた。
後ろを振り返ると全身濡れ、ボロボロになった女が必死に地上へと上がってきた音だったらしい。


「キュラソーって凄いねえ」


女であそこまでの事が出来るのはなかなかの物だ、と関心した所で歩みを進めた。依頼も何もないのに関わるのは得策ではない。それにここはボンゴレのシマでも財団のシマでも無いのだ。関係ない。