台風






「台風もうすぐ通っていきますよね」

「...は?」

「一昨日くらいにやってませんでした?台風なんちゃらが上陸する予報」

「......」

「上陸する前に帰らないとやばいですよね。明日は頑張って帰ろ」

「なあ、苗字」

「なんですか?すみません降谷さん、私今大事なハッキング中なんですよね。例の団体が少し動いてるんですよ」

「お前、何日家に帰ってないんだ?」

「聞いてました?今バリバリお仕事中なんですよ。あ、でも確か3日前に着替えを取りに帰りましたよ」

「その時の天気は?」

「雨でしたね。どーんよりとした厚い雲が覆われてて丁度雨がザザ!と勢いよく。台風が近づく前ってどうしてあんなに雨降るんでしょうね」

「今日は外へと出たか?」

「外出て雨に降られるのも嫌ですからね。でてませんよ。仮眠室とここの往復のみです」

「外を覗いてごらん」

「降谷さん怒りますよ?私今ハッキング中なんですけど!」

「外を見ろ」

「はい!すみません!」

「どうだ?」

「信じられないくらいに...快晴...です...地面も濡れてません...むしろ今...朝なんですか...?」

「おはよう苗字、今は朝8時だ。そして台風は昨日の昼にはもう去っていった。雨も昨日の夕方には終わったさ」

「...私やばたにえん?」

「やばたにえん」

「これはダメだ、ハッキングだけして帰ろう」

「そうしろ。とりあえず俺もバイトの前にお前に会えてよかったよ」

「ハハハ、私も帰る前に降谷さんに会えてよかったですよ」

「次は意識がしっかりしている時に会おうな」

「善処します」