ーーーどうもぉ、こんばんわぁ。あっ、皆さん今から飲む感じですかぁ?今ぁ、ロケで飲み屋さん回ってるんですけどぉ。皆さん何の集まりですかぁ?

「仕事仲間で飲みに来たんです」

ーーー楽しそうでいいですねぇ。実は俺今『旦那さんが奥さんに電話して、俺のことどう思ってる?』って聞くロケしてるんですけどぉ…この中に結婚してらっしゃる方いらっしゃいますう?

「それなら…少将が結婚してるけど、」
「ナグサさんだめっすよ、団長の立場があるから来てくれてるだけの飲み会でしかも超絶不機嫌なのに、俺血の海とか見たくないすよ」
「だよねえ」
「で、でもちょっとだけ団長とシノさんの会話聞いてみたくないすか?」
「おい、なに考えてんだよ」
「こんなチャンス二度とないすよ!もしかしたらシノさんと電話して機嫌良くなった少将がワイワイ飲んでくれるかも!」
「ありえねーよ」
「僕もありえないと思うよ」

ーーーあのー…?

「あっ、すいません。ウチで結婚してるのあの超男前のあの人だけなんであの人と交渉してもらってもいいすか」
「おい!」
「こら、何言って…!」

ーーーあ、少将さん?俺今『旦那さんが奥さんに電話して、俺のことどう思ってる?』って聞いて、何て答えてもらえるかってロケしてるんですけどぉ、よかったらご協力頂いてもいいですかぁ?

「…は?…あぁ、いいぜ」
「(な、ナグサさん!団長が笑って受け入れた!)」
「(絶対断って暴れまわると思ったのに…)」

ーーー奥さんってどんな方なんですかあ?

「…可愛いやつ」

ーーーいいですねえ。こんなかっこいい旦那さんにそう言ってもらえて。じゃあ早速電話してもらってもいいすかぁ?

「…」
《…もしもし》

ーーーあっ、出ました出ました

「もしもし」
《うん、どしたのー》

ーーー奥さん以外と声が低めなんですねえ。中性的な声…

「(ナグサさんあの人シノさんのこと女だと思ってますね…そらそうだけど)」
「(同性婚が認められててもまだ常識的には認められてないからなあ)」

「俺のことどう思ってる?」

ーーー旦那さん、堂々とはっきり聞くんですねえ

《えーいきなりなにー?愛してるよ?それより何時頃帰ってくんの》
「…ふっ、分かった。すぐ帰るわ」
《ご飯はいる?》
「ああ、食う」
《じゃあ用意して待ってるから気をつけて帰ってきて》
「おー」

ーーー旦那さん、奥さんめっちゃ素敵な方じゃ…って、え?!どこ行こうとしてるんですか?!もうちょっとお話聞かせて…ああ…本当に帰った…去って行く後ろ姿もかっこいいですね…

「なんか、すいません」

ーーーあーいえいえ、自由な上司さんですねえ

「はい。苦労させられてます」
「でもシノさんとの会話してるときの団長かなりフインキ和やかだったっすね」
「いーもん見れたなー」
「全くもう…」




BANGUMIHYO ni modoru