ねこ
ねこ、飼いてぇな〜
積極的にねこの奴隷になりたい。
普段はそっけないけど、お腹が空いたり要求があればすり寄る打算的なところもいい。こちらが基本的に追う立場がいい。いぬも良いが、あの惜しみない愛情に応えられるか自信がない。
「(なにかしらの謗り)」
イラッ
おまえをねこちゃんにしてやろうか。
ちょっと大きめで、白金のふわふわの毛並み、毛先はブルーに染まっている。基本的に窓際でニャルソック。不用意に触ると怒られる。ブラッシングされるのは好き。外出しようとすると怒られる。ベッドは取られる。朝4時に起こされる。
「(なにかしらの謗り)」
は〜〜〜いごめんごめん私が悪かったよ〜!
すごい、メンタルトレーナーとしてやっていけるかも知れない。
いつ切るのかなと観察していた襟足が尻尾のように見えてきた。ピッチを駆け回る昼の大運動会。シュート練習は猫パンチに通ずる。マジでねこちゃんかも。
︙
「無理無理無理無理」
トレーニングルームの清掃をしていたら、地を這うタイプの虫と対峙してしまった。逃げたいのにわざわざ出入り口の近くにいる。奴等の特徴として、なぜか人の方に向かってくるという特性があるのはこれまでの経験上承知している。だから、無闇に刺激しない。しかし目は離さない。膠着状態が続く。そろそろ誰かトレーニングしに来んかい!と毒づいていると入口のドアがようやく開く。
「!!ミちゃ!虫!!」──申し遅れたが仮想ねこちゃんのことをミーちゃん、今ではミちゃと呼んでいる。名前の原型がなくなるのは、ねこ飼いあるあるである。
「……は?」
「そこ!!なんとかして!!」
「……あいあい」
ねこは虫取りが上手い。事もなげに外にポイしてくれたねこちゃんに、全私が感動。
「ミヒャエル!すごい!天才!ありがとう!」
「……」
︙
「クソ世一はこんなこともできないのか?」
「なんだとクソピエロ」
「こらこらケンカしないよ〜!」ねこといぬは相容れない場合が多いと聞く。こういう時はいぬの気をそらすのが一番。ねこは相手しなければわざわざ向かってくることもない。
「潔散歩いこ、視野狭まってる」「〜〜〜行く」
「……」
︙
「(なにかしらの謗り)」
「ん?どしたの〜」
「……」
︙
「……」
「……」
何ということでしょう。私が机に向かってデータ整理をしている横でカイザーが読書している。静かに。
「……カイザー、そこ私の席」
「……」ぷい。
出力した資料を取りに席を外している隙に自席を取られてしまった。
「隣動いて」とカイザーが元いた椅子をぽんぽんして移動を促すも、
「……」ぷい。
とまあこのようにモルカーになってしまった。嘘です。仕事を邪魔するねこちゃんです。ねこの前で行動を強制させることなど許されない。ので、私が隣の席で仕事を続けるに至った。
︙
「なんか最近鈴さんに対してカイザー大人しくない?」前は煽りとかすごかったじゃん。とは潔の弁。
「慣れてくれた、のかな?」ねこは新しい人間が苦手だ。
「鈴さんの近くにいればカイザー絡んでこなくて都合いいんだよね」
「うん、もう私が一人で仕事してるときしか来ないね。人前じゃ甘えられないからだと思う」
「……ん?」
「オスのねこってそういうもんだよ」
「……ん??」
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