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▼2019/07/01:つづき

サッカー部とお話しするだけ

「サッカー部は励んでますなぁ」
「青春ですなぁ……」
 部活をする様子を眺めながら、私達はウンウンと頷き合う。これぞ普通の生活である。良かった、この学校のサッカー部は超次元じゃなくて……。

「おっ、今帰りかー?」
「灰原ちゃん」「灰原ちゃんじゃーん」
 ヨッと親友と同時に手をあげ、クラスメイトに笑いかける。そんな私達に彼――灰原二郎くんは明るく笑ってこちらに駆け寄ってきた。
「相変わらず息ぴったりだなーお前ら」
「長い付き合いだからねー」
「何せうちらソウルメイトなんで」
「ところで灰原ちゃんはどないしたん? 練習中でしょ、いま」
「休憩中だからいーんだよ、水樹呼ぶか?」
「いいよ、別に。どこでも話しようはあるんだし。ねぇ?」
「そうだねー。しかし水樹くんがキャプテンか……臼井くんも大変だなぁ」
「水樹くん、悪い子じゃないんだけど如何せん思考回路が読めないからな……。参謀の臼井くんにはお体を大事にしていただきたいですね」
「お前ら水樹の親かよ」


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