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▼2022/06/21:気づいたら宮沢女史

カレカノ夢
宮沢雪野(無自覚)成り代わり夢。落ちは有馬。名前付きオリキャラあり。


 努力をすることが苦では無い人生だった。家族には修行僧のようだと揶揄られても気にすること無く、淡々とルーチンワークをこなすように生きていた。優等生の仮面を被り、これからもこうして生きていくのだと疑わなかった。――親友(かのじょ)と出会うまでは。


 穏やかな日差しを浴びながら、私は真新しい制服に身を包み、彼女の家のインターフォンを鳴らす。「ごめーん!」とばたばたと慌ただしく出てきた彼女に私は少しだけ笑う。

「やっほい、みゃーちゃん」
「やっほい、今日は早起きね」
「みゃーちゃんと初めての高校生活だから頑張っちゃった〜」
 テヘ、と笑う彼女こそ、私の無二の親友である。優等生だった私の仮面を引き剥がし、ただ一人の「宮沢#名前#」としての生き方を肯定し背中を押してくれる、私にとってかけがえのない存在。出会ったのは小学校に入学する前、まだ幼い頃、公園で出会ったお互いの両親が意気投合したのが始まりだった。
「しかし、お馬鹿な私が進学校に通えるとは……みゃーちゃん様様ですよ」
「私はただ手伝っただけ。一番は貴方が努力した結果でしょ、親友」
「へへへ、みゃーちゃんの居ない学校生活なんてつまらないもんな。クラスが違っても会いに行くよ、だから頑張れ、みゃーちゃん」
「うん。ありがとう」
「いじめられたら言うんだよ、ヤックルに乗って殴り込みしてあげるかんね」
「馬鹿ね、ヤックルは架空の生き物よ」
「突っ込むのそっちぃ?」
 呑気に話をしながら二人で学校に向かって歩く。

 今日から私と彼女は北栄高校に入学する。
 どんな学校なのだろうか、と思いを馳せるつもりはない。どんな日々が待っているのだろうか、とのんびり呟く親友の顔を見ながら、適当に相づちを打つ。正直何でもいい。進路は限られているし、自分にできる限りの最大の学びを得られればそれ以上は願うつもりはない。そしてできるならこの親友と、できるだけ思い出を作ることが出来たなら。

「どうしたの? みゃーちゃん」
「なんでもなーい。ほら、行こう」
「はぁーい!」



「――君が好きだ」
 後に美少年にそんな告白を受けることなど、この時の私はこれっぽっちも思っていなかった。


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