窓から空を眺める。日が昇り、雲が流れ、青い空が橙に色づき、月が顔を出し、星が空に散りばめられる。たまに曇ったり雨が降ったりする。そんな日々を過ごす私にも、四季はやってくる。


春には八重桜が添えられる。熱いお茶と桜餅がおいしい。

夏には朝顔が添えられる。サイダーの入ったコップで氷が涼しげな音を立てる。

秋には黄色く色づいた銀杏の葉っぱと、煎った実が添えられる。おなかが空いてきた。

冬には山茶花が添えられる。みかんを食べて、手が黄色くなった。




そしてまた、春が来る。今度はオレンジのチューリップを添えてくる。
あなたと過ごす時間の中で、季節のおとずれを知る。


300字SS企画
お題『訪れ』
(20160903)


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