別れ話B(三ツ谷隆)


三ツ谷隆と別れた夏の夜、送ろうかと申し出てくれたのを固辞して一人で歩く帰り道、見上げた空に東京にしては珍しく星がいくつも見えるから「そういえば付き合い出したのも夏だったなあ」って考えてしまって、そうしているうちに我慢出来なくなって道路の隅で立ち止まって泣いたりするみょうじなまえ

「まだ好きだな、一緒にいたいな、別れたくないな」と思っていてもどうしようもなく好きな男の前では最後まで聞き分けのいい女になろうとしてしまったし、引き止めることなんて出来なくて「頑張れ」としか言えなかったんだよね