※学パロ
昼休み。私は諸平野くんと一緒にお弁当を食べていた。
けど何だか顔は熱いし頭はぼーっとするしであまり食欲が無いため、お弁当は半分も進んでいなかった。
「諸平野くーん諸平野くーん、頭ぼーっとするー」
「はあ。熱でもあるんじゃないの?」
もそもそと口の中に放り込んだ卵焼きを味わっていると、諸平野くんの冷たい手が私の額に触れた。あ、冷たくて気持ちいい。
「って、え、え?」
驚いて声を上げると、諸平野くんは私の額からパッと手を離した。
少しひんやりとしたおでこが徐々に自分の体温に戻っていく。
「あ、ごめん。でも本当に熱いね、保健室行く?」
「行けない。無理。ダルい」
既にお弁当を食べる気力もない。私は机の上を片付けて突っ伏した。
息苦しいので顔だけ上げて、前に隣接している机に座る諸平野くんをじっと見る。
「名前ちゃん、おんぶしてあげようか?」
「ええっ!? なっ、ううン…!?」
突然の提案にさらに自分の顔が熱くなるのを感じた。これは具合が悪いせいではないと思う。諸平野くんは純粋な親切心で言ってくれてるのに、私ってば。
肯定とも否定とも言えない戸惑いの声を上げると、諸平野くんは自分が言った言葉を慌てて訂正した。
「い、いや僕は別に変な意味で言ったわけではなくてね!? き、君がどうしてもと言うなら……」
「あ、ううん私こそ変に驚いたりしてごめん! えと、その、じゃあ保健室行ってくる! 机、お願い!」
お昼休みの為に動かした机を諸平野くんに任せて私はそそくさと教室を出て行った。
廊下に流れる外気がひんやりとして居心地良く感じるが、ここに居ても今度は風邪を引いてしまうだろう。
私は重い足取りで保健室へ向かいながら、頭から離れない諸平野くんの言葉を反芻していた。
(ちょっといいかもなんて)
Smotherd mate