※死ネタ
『オレがリーダーになるべきだった……』
馬乃介は最後にそう言って、逮捕された。
肩書きだけ偉くたって、中身が伴ってなければ意味がない。
誰かを犠牲にしてまで得たものに、満足できるわけないじゃない。
……バカ。
人の気持ちも考えないで、勝手に何でも決め付けちゃって。
デートの行き先だって、食事の場所だって、私達が一緒に暮らすのだって馬乃介が勝手に決めてたっけ。それくらいならまだ許すよ。
その上海外出張だなんていきなり言われて、私を日本に置いて行ってしまった。戻ってきたと思ったら事件を起こして。とんでもない悪人だね。何がボディガードよ。
でも、一人置いてかれたって、誰かを憎んでいたって、人殺しをしたって、生きていてくれればそれで良かったのに。
我儘と言われても良い、犯罪者の身内と罵られても良い、馬乃介がいない人生なんて、何の意味もないんだよ。
ねえ、どうして私に何も言ってくれなかったの? 私は馬乃介にとって、そんなに頼りなかった? 私って何だったの? 教えてよ、答えてよ、助けてよ。
けど馬乃介はもう体温も口もない、形だけの存在になってしまった。いくら言葉を聞きたくても何も答えてくれない。酷いよ。居なくなっても私を苦しめ続けるんだ。ずるいよ。
「……馬乃介の、バカ……ッ」
Smotherd mate