あの人は私にとって太陽だった。
いつでも元気で、周りを照らしてくれる底抜けの明るさがあった。落ち込んでいる人が居れば駆け寄り自分の笑顔を分けてくれる。誰もが太陽のように感じていた。もちろん私もその内の1人だった。
その日、私は仕事でミスをして、とんでもなく落ち込んでいた。
署内に居るのが辛かったので昼休みに近くの公園に逃げ、人目の付かないベンチに腰をかけた。幸い天気が悪く、周りに人は居ない。それでも泣いている姿がバレないように、自分の足元しか見えないくらい頭を垂らし、瞳からポタポタと地に落ちていく雫がアスファルトを暗く染め上げていくのを眺めていた。染みが大きくなる度に、『泣くのは今だけだ。心を落ち着けて午後からは職場復帰するんだ』と誓い続けた。
その時、私の肩にポンと手が置かれた。
私は顔を上げるのが嫌で仕方なかったけど、ぐいっと目元を拭って手を置いた人物に顔を向けた。
するとそこには、みんなの太陽が居た。
「ハッハッハ! 名前君! いつも元気な君がこんな所でどうしたんだい?」
真っ白なスーツを着てニッコリと笑う番さんの笑顔が、今の私には太陽みたいに眩しくて、また大粒の涙が溢れ出した。
番さんはそんな私を笑うこと無く、隣に座って胸を貸し続けてくれていた。ひとしきり泣いた後、ようやく気持ちが落ち着いてきた。
「番さんは太陽みたいですね」
「ならば君は向日葵だな!」
向日葵は太陽の光が必要不可欠で、太陽のある方向を向いて育つ、と番さんは教えてくれた。
ふと隣の番さんを見ると僅かに頬が赤らんでいて、
何故か私まで顔が熱くなり、急に胸がドキドキしてきた。
気付けば先程まで空を覆っていた雲は消え去り、今は澄み渡る青空が広がっていた。
空を見て、2人で微笑む。
やっぱり番さんは、私にとって太陽だった。
Smotherd mate