黄瀬に慰めてもらう
「りょーたー…!!」
「なんスか……うわ!ひどい顔っスよ!?」
教室でのんびりとしていた涼太を見つけて、勢い良くタックルをかます。涼太はさすが男の子という様に私のタックルをものともせず、私の顔を見てきて、失礼な程声を上げた。
「ふられた…」
「何、告白したの?」
「ちがう……好きな人いるって話してるの聞いちゃった…」
思い出してどんどん落ち込んできて、涼太にタックルした勢いのまま腕を回すと、よしよしと頭を撫でてくれた。友達が涼太がカッコイイと騒いでいたけど、顔なんかよりこういうことをあっさりやれるとこを評価してあげて欲しい。かくいう私は別に涼太がイケメンだということを否定はしないけど、ミーハーになるつもりもない。人は外見より中身だと信じている。
よしよしと頭を撫でる涼太の手が、急にがしがしと動いた。髪の毛が乱れる。
「ちょっ…涼太!?」
「そんな男より俺にしとけよ」
「なにそれ。考えとく」
涼太は笑いながらカッコイイことを言って、私は笑う。
涼太と私の関係は、所謂親友というものに近いと思う。入学式の時に初めて話した。涼太に話し掛けられたのだ。随分派手な頭だと思って見ていたのを、ミーハーな女子と同じ視線だと思ったらしい。涼太について興味ないという気持ちを込めて対応していたら、何故かなつかれて、今に至る。キャーキャー言わない私が珍しかったのだろう。
仲良くなって、涼太のわんこ体質や意外に冷めた性格を知った。外面の良いだけの涼太なんかよりずっとずっと良いと思う。
「涼太さ、今日はひま?」
「ヒマだからこんなトコでアンタの話聞いてるんスけど?」
「よし涼太、自棄飲み付き合って」
「自棄飲み?」
「そう。ファミレスでドリンクバー飲みまくるの!」
「お、いいっスね!」
時たま口が悪くなる涼太だけど、仲良い証だと思う。
私の提案に乗ってくれた涼太に、私は荷物を持って教室を出る準備を始める。
涼太がこんな提案に乗ってくれるのも、良い友人だからだと、思う。
20130408
ALICE+