月夜の幕間小噺


*会話ばっかり
*雑文


入浴後、初音は明日着る洋服を選んでいた。赤井がシャワーを浴びている間に準備を済ませて寝てしまいたい。先に寝ていたら、赤井も変にからかってきたりしないだろうし、自分が緊張して動揺することもない。


「んー、水族館だし、上着はいるかなぁ。中はどうしよう…」
「俺はそっちの水色がいいと思うが?」
「水色かぁ。じゃあ、下は白の短パンで、うーん、タイツかなぁ」
「俺はあの時履いていたニーの靴下が好きだな」
「あ、そっか!ニーハイがあっ……きゃあ!?」
「どうした?」
「ああああ、あかっ……秀一さん、いつの間に…!!」
「会話をしていたじゃないか」
「そうだけど…!」


部屋の扉を開けたことすら気が付かなかった。いい加減、気配を消して行動しないでほしい。ぷう、と頬を膨らませた初音を見て笑う赤井。


「この間買った帽子があっただろう。あれが合うな」
「ああ、そういえば…!」


クローゼットへ向かい、初音は帽子を探す。色はネイビー。服と同じブランドだからデザインも合う。


「よく覚えてたね、秀一さん!これで明日は完璧!」
「子供たちと出掛けるだけなのに、そんなめかし込むのか」
「毎日お洒落には気を遣ってるの!いつでも可愛くしてたいからね!」
「何故だ?」
「お洒落に慣れてないといざ秀一さんとのデートの時に困…る………待って、今のなし!忘れて!!」
「ホー」


赤井がすかさず、ドサリ、ベッドへと初音を倒し、上に覆い被さる。


「…やだ、秀一さん…っ!」
「俺の為にめかし込むのか」


初音は必死に赤井を押し返すが、赤井はさして気にも止めずに初音の首元へ顔を埋める。
ちゅっ、軽くリップ音を鳴らす。初音がピクリと身体を反応させるのを赤井は満足そうに確認。更にちゅっ、ちゅっ、と移動をしていく。


「ひゃあっ!あっ…やぁっ……っ!」
「首、相変わらず弱いな」
「やっ…しゃべっ、ちゃやぁ…!」
「…ククッ」


ビクビクと良い反応を返す初音に更なる刺激を与え続ける赤井。初音は必死に赤井の身体を押し返す。
赤井は喉を鳴らして笑ったと思ったら、あっさりと初音から離れた。


「……ぁ、え…?」
「何だ?まだ足りないか?」
「ち…ちがう!」


顔を赤くする初音。
赤井が急に真剣な顔になり、初音も瞬きをしながらも赤井の様子を見守る。


「今日の事」
「?うん」
「誰にも言うな。特に、あの坊やは気に掛けているだろうからな」
「……うん、分かった」
「よし」


じゃあ寝るか、と赤井が初音を抱える。


「え?…え!?秀一さん!?」
「何だ」
「いやいや、それ、私のせりふ…!」
「いいだろう、これ位。我慢している俺の身にもなれ」
「あ……あぅ…えっと…」
「明日、早いんだろう。寝なくていいのか?」


バタバタと抵抗する初音を抱きすくめ、赤井が耳元で問うと、初音はピタリと動きを止め、代わりに赤井を見上げる。


「こんな状態じゃ、恥ずかしくて寝れない…」
「いい加減慣れてくれ。…それとも、気付いたら寝ている程に激しくされたいのか?」
「……!!?な、ななな…ちが……寝る!私もう寝るからね…!!」
「ああ。おやすみ」
「……おやすみ、なさい…」


ぎゅっ、赤井へ腕を回し、初音は眠りについた。





20160531
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