─side:?─

ふしぎなひと。
わたしはそうおもった。
くさむらにはいって、ポケモンをたおして、そうしたらだいたいのひとは、てばなしでよろこぶのに。
あのひとは、かわいそうっておもってた。
じぶんたちからはいっていったのに、こがしたのはかわいそうだったかなっておもってた。
やさしいひと。

「ルルの技、よく知らないやつだなぁ……どんな時に使えばいいかな?」

『お前がここ、というタイミングで指示すれば使うさ』

こっそりと、そのひとをおいかける。
ながいかみ、ほしがうかぶまっくらなよぞらのいろ。
おちついたひとみ、なにもかもすいこんでしまうブラックホールみたい。
きっと、あのひとのとなりにいるポケモンふたりも、すいよせられたんだ。
わたしとおなじくらいのとしにみえる、ひのとりみたいなポケモン。
あのひとのパートナーだとおもう、わざわいをかんちするつのをもつポケモン。
いいなあ、わたしもあのひとにすいよせられたいなぁ。
あのひとがいいなあ。
もうちょっと、もうちょっとちかづきたい。
ゆっくりとあしおとをたてないように、あのひとのちかくにむかう。

『……?』

もういっぽ、とあしをだそうとおもったら、つのをもつポケモンがこっちをふりむいた。
まっかなめ。
するどくて、さされてしまいそう。
おもわずきのかげにかくれて、こっそりとかおをのぞかせる。
まっかなめの、つのをもつポケモンはわたしのほうをみながら、そのひとによりそった。

「ルル?」

『なんでもない』

ルル、とよばれたつのをもつポケモンは、くびをよこにふるとぴっとりと、さらにそのひとにくっつく。
わたし、も。
わたしもそのひとによりそいたい。
ルルって、しゅぞくのなまえじゃなくて、そのポケモンだけのなまえだよね?
わたしも、あのひとにわたしだけのなまえをもらって、やさしいあのひとによんでもらいたい。

『ジゼル!ルル!!早く先に行こう!やっと半分だから!』

「あ、ヒエン先に行かないで」

『待てくらいできないのか』

あのひのとりのポケモンにもなまえがあるのかな。
いいな、わたしも、あのひとからなまえがほしい。
さきにはしっているヒエンとよばれたひのとりのポケモンをおって、あのひとがとおざかっていく。
まって。
わたしも、つれていって。


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