私にはルルがいたからそれでよかった。
周りの同い年の子たちは自分のポケモンが欲しいって、私が羨ましいって言う。
別に自慢してるわけじゃない。
いつも一緒にいるのは成り行きだけど私がルルのトレーナーになったから。
幼くてもトレーナーだもの、ポケモンと一緒にいたいもん。
ルルがいるから他のポケモンはいなくても、いいかもしれない。
そんなこと思ってそれなりに時間が過ぎて、1日のうち引きこもる時間が8割くらいになっま時、普段顔が怖くてなかなか近寄れなかった兄さんが私の手を引いて外に出た。
だから、なんで私はここにいるんだろう。
「ちわっす博士。こいつがこの前話した俺の妹ッス」
問答無用で、というか怖くて話しかけらんないからされるがままドンカラスのあいちゃんに乗せられて連れてかれたのはミシロタウン。
頑張ってあいちゃんの背中にしがみついていたけれど振り落とされた、おま、一応あなたのトレーナーの妹なんだけど。
初対面の博士は、兄さんの知り合いらしい。
こんな温厚そうな人が兄さんの知り合い……マジか。
兄さん、怖い顔なのに真っ当な仕事してたんだ。
「はじめましてジゼルちゃん。私はオダマキ、博士としてポケモンの研究をしているんだ」
「あ、えと、はじめまして……」
「すいません、こいつ手持ちのアブソルとしかコミュニケーションとらないんで」
あとは両親くらいしかまともに話さないんスよ、俺は顔怖いから逃げられてて。
ぽふぽふと頭を撫でられ、恐る恐る兄さんを見上げた。
意外、穏やかな目をしてる。
「いいんだよ、ゆっくりで。さて、本題に入ろうかな」
「ジゼル、お前しばらく家に帰ってくんな」
え、どういう話?
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