オダマキ博士は順を追って話してくれた。
要は引きこもりの私に新しくポケモンを託してホウエン地方を旅させたいと。
兄さんはそのために私をミシロタウンに連れてきたんだと。
頼んでないし。
「嫌がるのはわかってんよ、でもよォ……ちょっと我慢して回ってこい。そしたら意識も変わるだろ」
顔怖いけど昔から間違ったことなんて言わなかった兄さんの言葉に、曖昧に私が頷けばオダマキ博士は机の上にモンスターボールを3つ並べた。
私のルルが入っているボールより新しい。
「好きなポケモンを選ぶといいよ。草タイプのキモリ、炎タイプのアチャモ、水タイプのミズゴロウ。これから君の手持ちになる子だ」
カタカタと揺れるボール。
まるで自分を連れてってと言ってるみたい。
でも、私なんかにできるのかな。
家に引きこもっていた、私なんかが旅なんて。
腰のベルトについているボールが少し揺れた。
……ルルもいるなら、頑張れる。
「じゃあ、このボールの子」
選んだのは、一番揺れの激しかったボール。
出していいのか兄さんと博士に聞けば、いいよとOKをもらった。
軽く宙に放れば、閃光と共にそのポケモンが姿を現す。
オレンジの毛。
ひよこ……?
つぶらな瞳で周りを見渡し、それから正面にいる私を見ると嬉しそうに鳴いて胸に飛び込んできた。
慌てて受け止めるとすりすりと頬ずりをして、それから大人しくそのまま腕の中に収まる。
「その子はアチャモだよ。少し前に一緒に育ったミズゴロウとキモリがトレーナーを見つけてね、いじけてたんだ」
「チャモ!」
「アチャモ……」
「いいじゃねえか、可愛らしいやつで」
「うん。よろしくね、アチャモ」
正直不安だけど、ルルもいるし、大丈夫。
抱き上げてこつんと額を当てると、頼もしくアチャモは声を上げた。
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