突然ですが悪いことしてないのに、してないのに警察関係者複数人に追いかけられてます。
してないのに!!悪いことしてないのに!
大切なことだから何回でも言うわ。
保護だとかなんだとか言ってたけど思い当たること何も……何も……なに、も…………ないわけじゃないけど!
だってさ、ジンとウォッカが最近わざとらしく機密性高そうな話題をするんだもん、わざとらしくっつーか絶対わざとだけどあれ。
2人の組織って多分国際的に警戒されてる組織だろうから、そんな2人と接触してる一般人の私から些細なことでも情報引き出せれば、あわよくば組織の一員なら、って考えてるんじゃないかな。
そう思いながら米花百貨店に駆け込んだ。
このまま追ってくる人と、どこかで待ち伏せする人に別れるだろうな。
友人がここでバイトしてるから少しの間匿ってもらうか……いや、巻き込んじゃうのはやだな、バックルームの通路だけ貸してもらおうか……1ヶ所には留まれない。
エスカレーターに乗って、2階へついたところで駆け出す。
「わぷっ」
「おっと、失礼」
「こちらこそすみません、ちょっと急いでて……あ」
「おや」
とりあえず2階のトイレにでも行こう、と思ってた矢先に曲がり角で人にぶつかった。
聞き覚えのある声に顔を上げたら、以前コンビニ強盗と出会した時にその場にいた昴さん≠ェ。
……って止まったらまずい。
後ろを振り向くと、慌ただしい足音と声が聞こえてくる。
えー、ここ公共の場なんですけどおー。
やめて私誤解されるから。
ごめんなさい、と言って走り出そうとすると昴さんに腕を引かれた。
「え、ちょ、急いでるんですけど」
「ええ、知ってます。──追われているんでしょう?」
……この人何モン?
警戒は怠らず、彼についていくと帽子の陳列棚まで連れていかれる。
帽子や鞄の売り場。
奥の方まで行くと、頭に大きめの帽子を被せられた。
ああ、なるほど、試着してるフリね。
奥の棚なら服装も全部はわからないし、この大きな帽子ならつばが髪も隠してくれる。
頭いいなこの人。
私は鏡を見てるフリを、昴さんは私の後ろに視線を向けている。
私を探す声と、荒々しい足音が遠ざかったところで昴さんと目を合わせた。
「似合ってますよ」
「言うのおっそ……ありがとうございます」
「借りを返したつもりですよ」
「……そんなんありましたっけ?」
「コンビニ強盗を昏倒させてくれたから早めに帰れましたので」
あーそんなこともあったわー。
「自己紹介してませんでしたよね?沖矢昴といいます」
「少年探偵団からよくお話は聞いてます。極東綺羅です」
「僕も子どもたちから聞いてますよ。かっこいいお姉さんがいるって」
「……なにかしたっけ」
特にかっこいいと言われるようなことは何も。
30分程、その売り場で帽子と鞄を見るフリをして、キャップタイプの帽子を購入してから百貨店を昴さんと出た。
送ると言われたけれど、それはお断りして。
今度から帽子とかマスクとか持ち歩こうかな……
まさかこの日を境に尾行される回数増えたりするとは思わないよね!!
どうしよう……
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