殺人事件に巻き込まれて容疑者入りしてたんだけど真犯人がコナンくんによって炙り出されて逃走しようとしてたから近くにいた私の足が思わず出てしまいました。
蘭ちゃん程鋭くはないけれど蘭ちゃんより重い蹴りを後ろから助走つけて背中に食らわすっていう……はしゃぎすぎたよね!
コナンくんの引き攣った顔とか、コナンくんの連れらしい男女のポカンとした顔とか、目暮警部と佐藤刑事と高木刑事の深い溜め息とか。
なんだよー、犯人逮捕に貢献したんですけど!?

「いやいや綺羅さん、さすがに逃げ切れると思ってんじゃねえぞコラァ!!≠ネんて女性が言いながら華麗な飛び蹴りしたらみんなあんな反応するよ、僕もするし」

「つい心の声が漏れた」

「だろうね!」

直前の世界が世界だっただけに手が早くて困っちゃうなあ。
犯人は蹴った衝撃でバランスを崩して勢いよく倒れ、アスファルトに顔面打ち付けて鼻血出して意識飛ばしてた、可哀想に……お大事にね……やったの私だけどさ。
犯人を連行する目暮警部たちから「何時になったらお淑やかになるんだね!?」なんてお説教をたくさん頂いた、すみませんお淑やかなのは外見だけなんです。
そこまでお淑やかではないけどな!

「本当はさ……人殺した挙句他人巻き込んでトンズラしようと思ってんじゃねえ根性叩き直してやる起きろ、って往復ビンタで追い討ちしようと思ってたんだけどみんなの前だから我慢したんだよ」

「そんなドヤ顔で言ってもだめだからね。ジョディ先生もキャメルさんもびっくりしてるじゃん」

「あ、どちら様?」

「蘭姉ちゃんたちの英語の先生してたジョディ先生と、その同僚のキャメルさん!」

園子が前に美人の英語の先生が来たって言ってたことあったなあ、その人か。
確かに美人さんだ。
鈴木園子の従姉妹の極東綺羅です、と自己紹介すればジョディさんは目を丸くした。
隣の男性もだ。
何故。
その反応に私が少し眉を寄せるとジョディさんは「ごめんなさいね」と苦笑する。

「知り合いがあなたのことを褒めていたからつい」

「知り合い?」

誰だろう、外国人の知り合いなんてほとんどいないんだけど。
褒められるようなことってなんだ、大学でそれなりに優等生やってるくらいしか浮かばない……
うーんと首を傾げても、ジョディさんは笑顔で誤魔化すだけ。
でも後ろの男性はわかりやすいというかなんというか、なんでそんな警戒しながら私を見るのか。

「普通より少しやんちゃな女性にしか見えませんが、本当にこの人が赤井さんの言ってた人なんですか?」

「ええ、特徴もぴったりだから」

「……赤井?」

誰だそれ。
もうちょっと突っ込んで聞こうとすると、コナンくんが私のパーカーの裾を引っ張った。
目が言ってる、聞かないで、って。
……仕方ない、コナンくんがそう訴えるなら聞かないでおこう。

「綺羅さん、この後の予定は?もしよかったらお茶しない?」

「いや、これから買い物に行くからまた今度ね。夕方まで特売やってるからさ」

「そっか……またお話しようね!」

「そうだね」

その時はたくさんいろんなお話しようね。
私が言外に含めたのを察したのか、コナンくんは苦笑いで頷いた。
それから3人と別れて私はスーパーへ。
……それにしても、ジョディさんとキャメルさん本当に教師なのかな、なんかこう……違うような気がするんだよね。
長年培ってきた勘だけども。


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