イライラする。
自分でもらしくないと思う。
でもほら、酔って少し気分がいいところで無粋なこと言われたらねえ?
これだから合コンは嫌いなんだ。
酒の入った席で、男女共に浮かれていて。
何回ぶん殴ろうと思ったか。
ああ、イライラする。
家で飲み直そう……そうしよう。
コンビニに入って好きなおつまみをカゴに入れ、お酒の陳列されているところでいろいろと見比べる。
奮発してそこそこいいやつにしよう。
「あれ、極東さん?」
ふと声をかけられて顔を上げた。
そこには私と同じようにコンビニの買い物カゴを持った安室さんが。
……よりによってこの人かー、酒飲んだ後に猫被り続ける自信ねえー。
とりあえず、こんばんはと挨拶をしてから視線を戻す。
ウイスキーでも突っ込んどくか。
ボトル1本カゴに入れると、安室さんが驚いた気がした。
あくまでそんな気がしただけ、確認はしない。
「……機嫌悪いんですね」
「ちょっと好きじゃない飲み会に付き合わされたので」
「合コンか何かですか?」
「友達付き合いだったので」
まあ数少ない友人が意中の人が来る合コンに行きたいから一緒に来てくれって可愛く頼んだら断れないよね。
しかしろくでもねえ男だからやめとけと言わなくては。
「知らない人間に下世話な話されたらイラつきません?」
酒も入って少し気分がよくなったところでドヤ顔で酒臭い顔を近づけられたら思わずアッパーしますよね、しましたとも、1回だけ。
付き合ったら最高だの俺には君が相応しいだの身体の相性もいいだのなんだのと、酒の席でも異性に話すことではないと思う。
あのままお金置いて出てきた私は悪くない、むしろ偉い。
友人置いてきたけどね。
雑な手つきでボトルをもう1本カゴに突っ込むと安室さんは苦笑いを浮かべた。
「安室さんもですからね」
「はは……その節はすみません」
「思ってないなら謝らなくて結構です」
事実ではあったけれど口にすんなって思ってる。
そのまま安室さんと同じタイミングでレジへ行き、会計を済ませた。
ちょっと重いな、欲張らなければよかったかも。
「極東さん、送りますよ」
「大丈夫です」
「女性1人では危ないでしょう?」
「何かあったらこれ投げつけるんで」
ボトル2本とおつまみの入った袋を揺らすと安室さんは顔を引き攣らせる。
私、強いですから。
安室さんこそ帰り道お気を付けて、と軽く会釈をして帰路についた。
さあ飲み直すぞ!!1人で!
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