思わず手が出たというかなんというか。
直前の世界でドンパチやってたのが悪い、私は悪くないけど、そんな状況にしたタイミングが悪い。
深夜のコンビニでお酒とつまみを選んでいる時にコンビニ強盗が来るのが悪い、私が死角にいることに気づかないのが悪い。
よって、私は悪くない。
抜き足差足忍び足で背後に回ってちょんちょんと、強盗の肩を叩いてにっこり笑ってから遠慮なくアッパーを叩き込んだ。
脳震盪を起こした強盗は昏倒し、その隙に警察に通報しながら手に持ってた包丁を壁際へ蹴って、目が覚めた時のために後ろ手に左右の親指をキツく縛り上げる。
「……手慣れてますね」
「はい?」
あれ、お客さんもう1人いたのか、てっきり私だけかと。
警察が来るまでに買い物を終わらせるために、レジの前で財布をポケットから取り出していると声をかけられた。
あ、この人多分昴さん≠セ。
少年探偵団が言ってた特徴に当てはまるわ。
「前にそういう訓練に参加させて貰ったことがあるので……事件にも巻き込まれるものですからつい」
嘘はついてない。
直前の世界ではバリバリの前線で参加するとかのレベルじゃなく主催だったし、事件だってここだけじゃなくていろんなところで巻き込まれている。
むしろいろんなところに飛ぶ≠アとが事件だわ、悲しいことに慣れてきたけど。
ビールと酎ハイと、今度料理とかにも使うワインと日本酒、つまみにビーフジャーキーとサラミとチーズと柿の種。
現金で支払ってからそれが詰められたビニール袋を受け取る。
それから警察が到着して、あっという間に強盗は意識ないけど連行され、コンビニ店員と私と昴さん≠ヘ簡単な事情聴取をされてから解放された。
思ったより遅くなって、真夜中だこれ。
「送っていきましょうか?」
「あ、原付なので大丈夫です」
「……そうですか」
ヘルメットとブレーカーはメットインに収納してただけなので。
少し温くなったであろうお酒たちを少し残念に思いながらコンビニを出る。
メットインからヘルメットとブレーカーを出して、空いたスペースに買ったものを入れた。
「えーっと、昴さん?お帰りはお気を付けて」
「ええ、綺羅さんも」
原付のエンジンをかけてアクセルを回し、そのままコンビニを後にする。
……あ、今気づいた。
「私のこと知ってたなー」
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