目ェ覚ますとめっちゃ至近距離で見られてた、心臓止まるかと思った。
整った顔と深緑の目にその目の下の一筋の傷痕、男の癖にサラッサラな銀髪伸ばしやがって。
そんなことよりビビった、なぜ、お前が、ここにいる。
寝ぼけ眼を擦る前に反射的に顎を掌底で跳ね上げようとした、避けられた。
「ここ!私の家!!不法侵入!おまわりさんこいつです!」
「すみません……僕は止めたんですが」
「お前もだよ!!」
寝室から追い出して急いで着替えてメイクを簡単にし、リビングに出た。
ジンとバーボン、多分ウォッカは車にいるだろう。
ここら辺は駐車場もなければ路上駐車できる場所もないわりにはレッカー移動させられることは多い。
多分、レッカー移動防止のために残ってる、可哀想に。
おい我が家は禁煙です。
ファブファブシュッシュッをジンに向けて何回か吹きかけ、大きく溜め息を吐いた。
こいつと微妙に長いような短いようなお付き合いはいつからだったか、ええっと……私≠ェ大学生になった直後くらいにくっらい路地でジンが撃たれたっぽいの見て手当てしたんだったか……さすが私の私≠ニいうか。
ええ、死ににくい体質ってのはラック値高いってのもあんだね、悪運の方で。
手当てできたのはそういう知識も技術もあるからだろう。
「鍵は?合鍵作ったとかないよね?」
「こいつにピッキングさせた」
「すみません」
「そんな技術捨ててしまえ」
こんな平和な世界で銃持ってたり銃創による負傷してたりしたらまあそういう裏の人ってのはわかるよね。
縁ができた。
ジンと、ウォッカと、バーボンと。
まあ関わってるのがその3人だからなんだけどねー。
どんなことしてるかは聞かない。
聞かなくてもわかる、絶対殺しとか裏取り引きとか完全にアウトなことしてる。
洗濯物を回している間、換気をするために窓を開け、簡単に掃除機をかける。
「おい、返事を聞いてねえぞ」
「いつも言ってるでしょ、お断りします」
言い切った途端、ガチャ、と聞き慣れた音が耳に届いた。
そのまま掃除機の持ち手をしっかりと掴み、振り向きざまに吸い込み口をジンに向ける。
……かっこ悪いとか言うな、持ってるのはこれだけだ。
どう見てもアウトなお人に怪しい勧誘受けても嬉しくないし、断る度にこうやって銃口向けられても困る、慣れた。
「そんなに人手不足なら求人広告でも出せば?こんなちょっと個性的な女子大生に手を出すとかいろいろアウトじゃね?おまわりさんこいつです案件だからね?」
「そうやって歯向かう時点でちょっと個性的≠ナはねぇな。求人広告出したところで応募してきた人数分の死体がでるだけだ」
「傍迷惑な企業だなあ、スマホあるから110番しようか?どんな内容がいいか言ってみ?」
「……極東さんもジンもそこら辺にしておいた方がいいのでは?」
バチバチと私とジンの間で散っていた火花が止まったのは洗濯機の止まった間抜けな音とバーボンの諌めだった。
……鍵、変えよう。
戻る
ALICE+