「うーん……普通なら晃に怒るんスけど、稽古だったし割りとガチだったから怒るより心配するんスよねェ」
「来島さん、そこ痛い」
「そッスね、1番強くやられたところッスもんね。頭は?まだクラクラする?」
「うん」
来島さんがそっと私の顔に湿布を貼る。
ついでに言うなら視界半分見えない、いや見えるんだけど見にくい。
女の子がするような顔じゃねえッスね、と眉を下げてそっと腫れている瞼に来島さんが触れた。
昨日の今日、真っ直ぐ過ぎるって言われたから動き回ってみたら何故か昨夜思った通りにあの人の顔を殴ることが出来たのだ。
まあその後すぐ顔面に一太刀頂いて意識飛ばしましたけど。
あの時の目はガチだった、右目がギラリと光ったのかと思ったし。
さすがに医務室に運ばれた私は同性である来島さんの手当てを受けている。
「晃も女の子だから──って言いたいところだけど、晃にも晃の事情があるッスもんね」
「いや別に……好きでやってるわけじゃないし……」
「でも、強くなりたいんじゃないんスか?」
「……」
そりゃまあ強くならないとあの顔ベコベコにはできないだろうし、稽古つけてもらっている以上はなりたいとは、ちょこっと思う。
でも高杉さんの稽古は嫌だ、痛いもん。
絶対あれ道場とかの稽古じゃない、なんかこう……別のモンだ。
上手く返答できないまま黙り込んでいると、来島さんは私の両頬に手を当ててコツンと額を当てた。
「もし強くなれなくても、なりたくなくても大丈夫ッスよ。私もいる、先輩たちだって、晋助様だっている。一緒にいてあげるッスから」
「……別に、頼んでないし」
それにあの人がいるわけないじゃないか。
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