河上さんに布団の上に下ろされる。
……取引?なんだそれ。
しかしこっぴどくやられたでござるなあ、と河上さんが髪をくしゃくしゃに撫でる。

「嫁入り前の娘に少々手厳しいのではないか?」

「うるせェよ、こんくらいしねェとすぐ身につかねェだろ……あのばーさんも無理難題を押し付ける」

もぞもぞと布団に横たわり、薄く開く目で高杉さんを見上げる。
とても面倒だって言ってるの凄くわかる、目は口ほどにものを言うってやつ。
昨日は掛け布団だけで寝てたからなんかふかふかして気持ちいい、昨日よりよく寝れそう。
布団の上からポンポンとリズムよく軽く叩く河上さんがなんか面倒見のいい近所のお兄ちゃんみたいだ。
あ、子守唄はいりません、そのまま寝れます。

「どいつもこいつもそいつに甘ェんだよ」

「晋助が甘やかさない分でござる」

高杉さんが甘やかすとか想像できないしできたとしても恐ろしいわ。
鳥肌立った、寝よう……
ポンポンされるのも悪くないかもしんない、初めてだ。
心地よいリズムに自然と瞼が落ちてくる。
さっきうとうとしてた時より眠くなってくる、気がする。

「しかし本当に連れていくのでござるか?まだここへ来て1週間と経ってないが……」

「一応俺の教え子だ、慣れてもらわなくちゃ困るんでな」

「ふむ……」

「あのばーさんがこの小娘をどうしたいのか、この小娘がどうなりたいかは知らねェが、俺を師として扱うのなら避けれねェだろ」

教え子って思ってるんだ、意外かな。
そこからは話の内容なんかわからなくて、ポンポンと心地よいリズムをつくる手とは別の手が私の髪を撫でた、気がした。



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