仕事の帰りで少し気が立っていた。
内容は、まあ暗殺とでも言っておこう。
依頼されて前金貰ったからやった、で、口封じみたく依頼人に殺されそうになった。
そんなのはHLだけでなく、世界中で有り得ることだし初めてじゃないから特に何も思わない。
わけではないな、じゃなきゃ依頼人も殺さないし。
久々にやられたからイライラする。

「だからそんな私の目の前で胸糞悪いことしてこうなっても文句言わないでよ」

小柄な男の子相手にならず者が何人かでカツアゲしてる場面に遭遇した。
道の邪魔だし、イライラしてたし、殺しの後だから気が立っていたし。
だからね、悪くないよ私。
身体の1部が切り落とされたり虫の息になってたりしてもそれはアンタたちが悪い。
小柄な少年のものと思われる財布を拾って、壁際にいた彼の手を掴む。
普通の人類の少年。
ここにいるのはよろしくないだろう。
戸惑っている少年の手を掴んだまま、私たちは足早にそこの路地を抜けた。

「はい、これ少年のでしょう?」

「あ、ありがとうございます……」

語尾が消えそうになりながら少年は私から財布を受け取る。
あまりあの路地通らない方がいいよ、ああいうの多いし、一般人みたいな少年は絶好のカモだし。

「珍しいね、君みたいな普通の子がこの街にいるの」

「ちょっと訳ありで」

「そっか。まあ気を付けなよ、今回みたいに私が通るとは限らないから」

じゃあね、少年。
癖っ毛を撫で付けて少年に背を向けた。
それにしてもこの街に不釣り合いな少年だったな。
珍しい。
名前くらい聞けばよかったか……羨ましいくらいの純粋さというか、素直さというか、そんなものを詰め込んだ少年。
縁があるなら会えるだろう。


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