君たちにはまだ紹介してなかったね……彼女は名字名前、オルガマリー・アニムスフィアの友人でそれなりに名の通った魔術師だよ。
ドクターから改めて紹介されたのは、冬木で出会った名前さんだった。
目元が赤いのは泣いたからだろうか。
キャスターに止められていなければ、きっと彼女も消滅していたと思う。
「改めて名字名前、レイシフト適性はあるからこれから先、お前たちのレイシフトには同行しようと思っている。マスターではないから盾にでも何にでも使ってくれて構わない」
「名前ちゃん、過激発言」
「いつもこんなもんだろ」
キラキラと名前さんのピアスが光る。
やけに大きなそれは特殊な礼装だと、冬木でマシュに聞いたんだった。
弟はしゃきっと背筋を伸ばし、緊張した面持ちで「よろしくお願いします!」と右手を差し出す。
名前さんが目を細め、一度ドクターを見、苦笑してるドクターが促すと弟の右手に自分の手を重ねた。
「藤丸立香です!こっちは姉の立花」
「よろしくお願いします」
「はいはい」
弟に倣って名前さんに手を差し出す。
そっと握ってくれた名前さんの手は少し冷たかった。
「魔術なんかは名前ちゃんに教わるといいかもね、ね!?」
「私なんかよりドルイドのサーヴァントいるだろ……基本に毛の生えた程度の魔術なんかこの子らはもの足んないと思う」
そのくらい、私なんかでもわかるさ。
肩を竦め、溜め息を吐く名前さん。
その綺麗な目が、なんとも形容し難い色を混ぜてこちらを見る。
なんだろう、あまりいい気はしない。
どくりと心臓が警鐘を鳴らすように跳ね、背筋がひんやりとする感覚が私を襲う。
この人は、本当に味方?
レフとはまた違う、嫌な感覚。
「ロマン、マシュは?」
「ん、ああ……いつものところで眠ってるよ」
「……そう」
じゃあ私は部屋に帰るよ。
素っ気なくそれだけ言うと、名前さんは管制室を出て行った。
ドアが閉まり、ドクターがほっと溜め息を吐く。
「あまり気にしなくていいからね、所長やマシュ以外にはあんな風に接してるから」
「でも凄い人だよね、冬木では魔術使って援護してくれたし……」
「まあめげずにしつこく話しかけてやってくれ」
じゃあ、君たちもゆっくり休んでくれ。
そう言ったドクターの言葉に頷く。
私も後でマシュの様子を見に行こう。
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