完全にあれガンダムだよなぁ……でもGNドライヴないもんなぁ……そもそもここではGNドライヴなんて存在してなかったんだった、いっけね。
なんて自分を誤魔化しながらMSのある倉庫に忍び込む。
このCGSでなんやかんやで雇ってもらって3ヶ月くらい。
なんとも腹立つ男が社長でした、ボコボコにしたり銃出したりしなかった私を褒めてくれ。
子どもを前線立たせようとする奴らにロクな奴はいない。
火のつけてない煙草を咥えて機体に向かって足を進めてる時だ。
すよすよと気持ちよさそうに寝てるやつ。
なんだっけな……参番組のオルガ・イツカだっけ。
わあまたサボりかぁ、よく見つかんねえなあ。
「オルガー、風邪引くよー」
一応声をかけてから通り過ぎる。
……少し唸っただけで起きる気配はない。
思わず肩を竦めてジャケットを脱ぎ、数歩戻って雑にオルガにかけた。
気休めだけど、体が資本なんだから風邪でも引いたらだめだろ。
私は腰に巻いていたつなぎの袖部分を解いてそれに腕を通す。
前は腰まで開けっ放しでいいか、着込むのは慣れないし。
足下からMSを見上げてよく観察した。
この世界にビーム兵器ないんだよな……火星に人いる時点で技術的に実現できると思うのに。
実弾と実体の武器で殴るタイプのMSが主流なのだろうか、MWはMSと違うもんな……MAとかはあんのかな。
少なくともこの会社にはねえな、だって頭があんなんだもん。
こいつも売られるのかなー、やだなー、少しホッとしたのにー。
「いっそのこと殺っちゃうか?さくっと?」
「……何物騒なこと言ってんだよ」
そうすれば解決すんじゃん、なんて手を叩くと呆れたような声がした。
振り向いておはようと声をかけると、溜め息と共にオルガが身を起こす。
雰囲気が私たちの兄貴分に似てるよなあ……まるっきり全部ってわけじゃないし、その兄貴分も4年前に死んでるけど。
「で、何をさくっと殺るんだ?」
「ここの頭。いらないと思うから」
子どもの未来のためを──って考えるなら確実にいらんだろ。
私のモットーは子どもには優しく、私の中の子どもってのは10代半ばくらいまでかなぁ。
咥えてる煙草を上下に動かしながら、MSの頭部に視線を向けた。
この機体、なんて名前なんだろうな。
こうやって見ると乗りたくなってくるなー、でも愛機あったから他のに乗ると浮気になっちまうよなー、あーMS乗りたいー。
そわそわと左右に揺れているとバサッと何かを被された。
あ、私のジャケットだ。
「あんな雑にかけられても起きるだけだからな」
「ふーん……次は少し丁寧にするよ」
「……次があるのか」
「アンタがサボんなければあるんじゃない?」
「そうかよ……」
戻る、と踵を返したオルガの背を見送ってジャケットを抱える。
どうせならCBで揃えた制服着たかったなーなんて叶わないことばかり思いながら息を吐いた。
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