手先の器用なガルーラが私の手に包帯を巻いてくれた。
子ガルーラは首を傾げて私を見上げる。
大丈夫、ありがとう。
包帯の下はまだ少しヒリヒリとした痛みが残っていた。
無理矢理手持ちに加えたヒノアラシの抵抗のひのこ≠受け、手に火傷を負ってしまったのだ。
そんな私を見て我に返ったヒノアラシはカメールに怒られている。
が、聞かないで何度もチラチラと私に視線を向けていた。
人に技を向けるのは初めてなのだろうか。
私の仲間たちはほとんどが訳ありだから、技を向けられるのは悲しいかな、慣れてしまったけど。
こんなに、痛く思うのは久々だ。
子ガルーラが私の膝に乗り、優しく包帯の巻かれた手を撫でてくれる。
以前、痛いの痛いの飛んでいけをやったからか、この子は怪我をした人やポケモンを見ると頻りにそうしていた。
「大丈夫、ありがとうね」
お礼に頭を撫でてやると照れたように子ガルーラは親ガルーラのお腹の袋へ飛び込む。
さて、あの子はどうしようか。
ぷんぷんと怒るカメールと、ちょっと唸りながらもチラチラ私を気にするヒノアラシ。
技を向けたからと言ってボールに閉じ込めっぱなしにするつもりはこれっぽっちもない。
それに火傷なんて今までで一番慣れている怪我だ、気にしてどうする。
「カメール、怒らないの。ほら、ガルーラに手当てしてもらったから」
あのままカメールが技を出したらカメールが有利すぎる。
それでもまだ言い足りないのか、勢いづくカメールを引き寄せて膝に乗せた。
宥めるように頭を撫でればそのままご満悦気味に膝に横たわる。
幼いんだから。
ぐでん、とリラックスしているカメールをガルーラに預けてこちらを気にしているヒノアラシに向き直った。
その糸目と私の目があったような気がする。
「私は怒ってないよ。名前っていうの、よろしくね、ヒノアラシ」
火傷のしてない方の手を差し出すが、それはヒノアラシによってぺちんと叩かれた。
うん、ひのこ≠カゃないだけいいか。
握手しようよ、ともう一度言ってもぺちんと叩かれる。
3回目は怒ったように炎を逆立てた。
これは一筋縄じゃいかないなぁ。
ねえ、どうすればいいと思う?
そうガルーラに問いかけても困ったような表情を浮かべて首を振る。
慌てないでヒノアラシのペースに合わせよう。
20150225
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