「どう?慣れた?」

「監視されてる状況を慣れたというほど神経図太くないから」

「それはお前が自覚してないだけで、十分図太いよ」

「火影様がわざわざ出向くなんて、暇人なの?火影様って」

「無理矢理時間作ってきたんだって、名前が心配でさ」

「いや別に平気、」

「じゃないでしょーよ」

肩を竦めるおにいさんは、溜め息を吐くとちゃぶ台のところに置いてある座布団に座った。
私の向かい側になるわけで、私は膝に置いてある本に落としていた視線を上げる。
前もって来るって言ってたから別にいいけどさ。
お茶淹れるのはセルフサービスね。
ニコニコと満足そうな表情に思わず溜め息。

「外に出てないんだって?」

おにいさんが自分で急須を傾けて湯呑にお茶を注ぐ。
確かに、外には出ていない。
家の周りを歩いて父さんが趣味で野菜を育てていた場所を見たりとか、アカデミー時代によくクナイを投げていた木とかを見たりとか、そのくらいは出たけど。
外に、と言うより名字の敷地が正しいと思う。
出なくてもサクラや色白の男の子やいろんな人が食材届けてくれるし。
…………ニートか。

「今のところ必要ない」

「仕事探しは?」

「…………何をしろと……」

こんな元忍にできることは限られてる。
それに、立場が立場だ。
うん、ないね。

「できることは?」

「忍の仕事」

「接客とかどう?」

「できると思う?」

「無理そうね」

「絶っ対無理」

湯呑の冷めたお茶を啜って本に視線を戻した。
正直、今後どうするかなんてまったく考えてない。
というか燃え尽きたかもしれない。
帰れないんだもの、何をしろと。
私を導いていたオビトはもういない。
自分ではまだ歩けない。

「ま、名前のペースでいいよ」

「……そうするよ」



20150131
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