正直寂しいと思う時がたくさんある。
広い家にひとりきり。
ふざけてたあいつらの声すらしないし、大切な人の気配もない、大好きな人の温もりもない。
私がどんなに冷たくしてもなんだかんだ離れなかったあの人がいない。
これが、喪失感か。
枕元に置いた目覚まし時計は既に昼過ぎを示していて、でもなかなか布団から出る気になれない。
木ノ葉の里に来てから気を張り過ぎていたのか少し緩んだ今、ちょっと体調がよろしくない。
体温計とか、薬とか、何もないんだよな。
用意しとけばよかった。
布団の外に手を伸ばしてみても畳に触れるだけで周りには何もない。
喉渇いた、でも布団出るのもしんどい。
嘘だろやめろよ向こうまで行くのも怠いわ。

「今日はなかなか起きないと思ったら……体調不良かい?」

不法侵入。
声のした方向を見上げると、どっかで見た忍が。
誰だっけ。
千手の細胞入ってるからって捕まってたやつ……
ええと、思い出せない。

「顔赤いね。体温計とかは?」

「……ない」

「じゃあ買ってくるから。欲しいものはある?」

「のみもの……」

「先輩も呼んでくるよ」

誰だよ先輩て。
瞬身で消えた忍は少し慌てた表情だったなあ。
あ、そうだ、ナルトがヤマト隊長って呼んでた忍だ。
顔赤いってことは熱でもあんのかな私。
だから怠いし寂しいし心細いのか。
体調崩したのはいつ以来だろう。
その時はイタチがほとんど付きっきりでいてくれたし、オビトもいてくれた。
玉子粥が美味しかったんだよなぁ……
あーだめだ、寂しい。
イタチが作ってくれた玉子粥食べたい、ちょっと冷ましすぎたけど美味しいやつ食べたい。
手ェ握っててほしい。
もぞもぞと布団を被って枕に顔を押し付けた。
寂しい、なあ。


20150205
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