不可抗力だしむしろ助けたのになんで私が悪者扱いなの?だから木ノ葉の里は大嫌いなんだずっとずっと昔から。
消えちゃえば、いいのに。
「あー……とりあえず、お前ら出てって。名前の顔やばいから、万が一が起こっちゃうから」
ギリギリと爪が掌に食いこむ。
痛くはない、少しじんじんとした感覚はあるけれど、痛くはない。
就活、ってことでいろいろと自分なりに仕事を探してる時にそれは起こった。
どうやって入ったのか知らないけれど、マダラの思想に賛同する忍が私を訪ねてきたのだ。
もちろん、私はマダラの思想に賛同なんかこれっぽっちもしちゃいない。
オビトに助けてもらってオビトの力になろうと思ったから暁にいただけだ、何を勘違いしてんのか。
適当に追っ払おうとした時、異変に気づいた暗部とその忍が戦闘になってしまい、さすがにまずいと思ったからその忍を仕留めた。
命は取っちゃいない、身柄を拘束する程度の傷を負わせただけ。
なのにどう見えたのか、私がその忍を口封じに殺すように見えたらしい。
また私が木ノ葉に反旗を翻すって?
馬鹿馬鹿しい。
これだから、こいつらは大嫌いなんだ。
「名前、」
ぱんっ。
私に伸ばしてきたおにいさんの手を叩く。
どうしよう、一番最初に思ったんだ、悔しいって。
殺してやるって思えればすっごく楽になれるのに。
なんで私がこんな思いをしなきゃいけないわけ、こんな、こんなのは認めたくない。
「…………名前」
「嫌い、木ノ葉なんか大嫌い」
「うん」
「いつも、いつもそう。私たちは望んでやって来たんじゃないのに、勝手に事が起こるのに、私が悪いって、そうやって決めつけて」
腹が立ったのに、殺そうとすら思えなかった。
なんで。
楽にさせてくんないの。
「殺してやるって思えなかったのが嫌だ」
「物騒な発言はやめなさいよ」
「あの場で全員始末すればよかった」
「だから……」
「なんで思えなくて実行できなかったのかなあ……!」
「…………それは、お前がこの里を好きになろうとしてるからじゃないの?」
私から日常を奪ったこの里が嫌いだった。
手にかけたのはカカシおにいさんだけど、父さんを殺したこの里が憎かった。
正直、ペインがこの里を潰しに行ったときはざまあみろと思った。
なのに、今は。
「気持ちが変わって戸惑ってるんだよ」
「うそだ、私が、この里好きになるなんて」
「だから、信じてもらえないのが悔しいんだろ。だいじょーぶ、オレは信じるから」
「……」
「そんな泣きそうな顔するくらいなら泣きなよ。オレだけでも信用してほしいんだけど」
「うるさい、少し気を許したからって調子乗んなっ」
「はいはい」
おにいさんが両手で私の頬を掴んで目元を擦る。
じとりと睨んでも優しそうに目を細めるのがなんか腹立つんだけど。
落ち着いてから家に帰ろう、そう言われて素直に頷けた。
20150209
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