私の気持ちが変わっているのは本当なんだろうか。
そもそもなんで好きになる要素があるのか、それがわからない。
嫌いな要素ならたくさんあるのに。
いっそのこと、また忍として。
そう綱手姫に言われた言葉が消えない。
確かに忍以外の生き方を知らないから。
押入れの中から中忍試験以降、入りっぱなしのベストを引っ張り出してついでに忍として使っていた道具を並べる。
クナイや手裏剣、刃物などの忍具は使えないだろう、錆があって脆くなっていた。
反対に父さんが使ってた口寄せのための巻物が数本、年季の入ったように見えるがまだまだ使える。

「わ!珍しい……何してるの名前さん」

「……ノックは」

「したけど返事なかったから」

家に入ってきたサクラが何かを抱えて私の座るところまで歩いてきた。
物珍しそうな表情を浮かべると、しゃがんで抱えていたものを置く。
なに、その風呂敷。
私の言いたいことがわかったのか、サクラは少しウキウキしながらそれを解いた。

「…………私の目がおかしくないならここに並べてあるものと同じやつ」

「そうよ。そのベストはもうサイズが合わないだろうって、師匠が」

中忍ベスト。
おい、あの酒豪ババア私に忍やらせる気満々なんだけど。
サクラは複雑そうな表情を浮かべつつも、それを私に合わせるように翳す。
やめて、似合わないってば。
真新しいそれは確かに私にぴったりで。
……腹くくれって?
あーちくしょう、金輪際忍なんかなるもんかと思ってたけど、もう逃げらんないじゃん。
立ち向かえって?
私をその気にさせたのを後悔するなよ綱手姫。

「ねえ、それ着たら私は中忍でいいの?」

「……!!あ、えっと、名前さんは先代と同じ特別上忍だって。監視はずっとされてるから単独任務は滅多にこないけれど」

「中忍の任務なんもやったことないけど」

「大丈夫よ!みんな名前さんのこと、わかってるから」

「……あ、そう」

「それなら明日登録しに行くわよ!私も行くし、先生も来るわ」

なんで私より張り切ってんだこの子。


20150216
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