キスマークをつけないと出られない
(女夢主/白ひげナース/年上/エース→夢主)
「…ん、ここは?…あら、エース?」
「モカさん…」
目が覚めたら何故かベッドの上にいた。
ぐるりと辺りを見渡せば部屋は全体的に白く、四角い間取りで窓ひとつない。目に入るもの…と言えば、このベッドと扉のみ。
その扉の前にエースがいた。
…何故か泣きそうな顔をしている。
「どうしたの?」
「出られねェんだ」
「扉、開かないのね。エースでも無理?」
「ああ、能力は使えるが傷ひとつ付きやしない。この部屋自体が何かの能力…だと思う」
なるほど。
それなら納得だ。
白ひげクルーの中でも、威力の高い技を持つエース。その彼の力で持ってしても開かないのなら、敵の能力の中…と考えるのが妥当。
厄介なことになっているみたい。
…状況はわかったけれど。
どうしてエースと私の二人きり…なのか。
私は島で買出し中だったはず。
そこで誰かに声をかけられて…。
少なくともその声はエースじゃなかった。
…誰、だったんだろう?
「ねえ、エース」
「!なに、モカさん」
名前を呼んだだけなのに、肩を揺らす。
そんなに緊張しなくても…。
「こちらへいらっしゃい。床よりここの方が座りやすいと思うわ。それに、距離があると話しかけづらくて。ほら、おいで?」
手招きするが、動こうとしない。
やけに頑なだなぁ。
ならば、私から迎えに行こう。
ベッドから降りる…が、私の靴はない。
というかタイツも履いてない。
いつの間に素足になったんだっけ…?
首を傾げながら、エースに近づく。
「ど…っ、どうしたんです、か」
「あなたが来ないから私が迎えに来たのよ。エース、手を出して?」
「いや、おれはここでいいよ」
「よくない。…あら、その紙はなに?」
エースは紙を握りしめていた。
指摘すると紙を握る手に力がこもる。
…怪しい。
エースをじいっと見つめたまま近寄り、目線が合うように膝を折って屈む。
バチリと視線が合えば、明らかに目を泳がせたエース。…さらに怪しい。
「その紙、見せて」
「これは別にその、なんでもねェよ?」
「なんでもねェなら見たいなぁ」
「いや、でも!」
距離を縮めたらその分横にズレてしまう。
一体なんなの、エース。
逃げるエースの手を握ってみる。
…さすがに振りほどきはしなかった。
彼の名前を呼べば、観念したらしく紙を手渡されて。そこに書かれていたのは。
【キスマークを付けないと出られない部屋】
「…キスマーク」
「…らしい、っす」
「これはお互いに?片方でいいの?」
「な…っ、するつもりなのか!?」
「紙はこの部屋にあった物でしょう?それなら、しないと出られないって書いてある以上、まずは条件を満たさないと」
確かに…でも!いや、さすがに…!!
明らかにエースの動揺が激しくなった。
…経験が無いわけじゃないよね?
えっ。エース…もしかして、童貞?
こんなに見目が良いんだからきっと持て余すくらい、女性は寄ってくるはず。
まさか。まさか…よね?
手を取ろうとしたが避けられた。
「…私がエースに付けていい?」
「は!?」
「エースは私に出来る?こんなに避けてるのに。この部屋から出たくないの?」
「出たいけど…でも!モカさん…!」
「2番隊隊長、ポートガス・D・エース」
「っ、はい!」
「腹を括りなさい」
白ひげの誇りを背負ってるあなたが。
こんな所で見えない敵に負けていいの?
そう発破をかければ、弾けるように顔を上げて私を見つめた。覚悟が出来たようだ。
ふふ、世話の焼ける弟だなぁ。
「さて、どこに付けようかしら」
「本気なんだ…」
「もちろんよ。エースは何も羽織ってないから、どこに付けても目立つわね…」
首筋がベターだけど。
目立ちすぎるのは良くない。
胸元、鎖骨、…上半身はダメかなぁ。
かと言って太ももや付け根、下半身は…。
もっとダメね。エースが倒れそう。
ジッと顔を見る。
いつの間にか顔は真っ赤になっていた。
あらら、可愛い反応。
「エース、ベッドに座って?」
「無理」
「…座ったままなら、私はあなたを跨ぐことになるけど。密着度がグッと増してもいいなら、そのまま床に座って…」
「わかった」
「よろしい」
なんでこんなことに…、そう呟く。
こんな状況だけど、私は少し楽しい。
年相応というか、男の子な反応をするエースを見れるなんてラッキーとさえ思う。
素直にベッドへ腰掛けるエース。
逃げないでね、と釘をさした。
正面に立ち足の間に割って入る。
彼のトレードマークであるテンガロンハットも、ベッドの上へ置いておく。
右手でエースの頬を撫でてから包む。
顔を少し横に向かせると体を密着させた。
エースの体がビクッと反応する。
腕を肩に乗せ、左手は彼の後頭部に。
唇を、耳に寄せた。
「エース」
「!!」
「ふふ、可愛い」
「〜っ!からかうのは、やめてくれ…!」
「ごめんね。つい」
「つい…!?」
かぷ、と耳たぶを食む。
息を飲むエースの反応はとても良い。
耳の裏に唇を寄せ舐めてからそこを吸う。
「!!モカ、ッ…さ、ん!」
肩が跳ね上がる。
くすぐったいのか、気持ちがいいのか。
どちらにせよエースの性感帯らしい。
もう少し我慢してもらおう。
…くっきり付けてやろう、だなんて。
思ってるけどね。ふふ、ここなら帽子をかぶるから簡単に見えないでしょう?
最後に強く吸い、ぺろりと舐め上げた。
「はい、おわり!…顔真っ赤だねぇ」
「く、ああー…しぬかと思った…」
そう言って背中からベッドへ倒れ込む。
さて、肝心の扉は開いたかな?
ぺたぺた歩いて扉の前へ。
ドアノブに手をかけて捻ってみる。
開かない。
「…エース」
「開いたのか?」
「もう一度、覚悟を決めて」
「…まさか」
「好きな所に付けていいわよ」
「マジかよぉぉぉぉぉお!!!」
顔を覆ったエース。
そんなに喜ばなくても。
…訂正、そんなに絶望しなくても。
キスマークはお互いに付けないとダメだったらしい。頑張ってもらわないとね。
にっこり笑いながらエースに近づく。
「どこに付ける?脱ごうか?」
「いッ、いやいやいやいや!!おれの心臓の動悸がヤバいからそのままで…!」
「ふふ、やっぱり可愛い」
キスマークをつけないと出られない部屋
「…よし、決めた。喉元に付ける」
「あら。意外な場所…」
「え、っと、理性が飛んだらごめん」
「船長に言いつけちゃう!」
「はぁ!?モカさんはズルい人だな…!」
「ふふふ、そうよ。私はズルい女なの」
Fin.
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