素顔の行方

※会話文のみ

「あらナルトくんいらっしゃい。普通は庭先じゃなくて玄関から入るものよ。ちなみにカカシは不在よ」
「いや、今日はウツギさんに用件があってきたんだってばよ」
「あら、何かしら」
「カカシ先生の素顔見たことある?」
「……。………………。あるわ」
「なんで変に間が空くんだってばよ」
「いえ、深刻な顔するものだから息子に何かあったのかと思えば、まさかのカカシの素顔について質問されるものだから」
「サクモはサイの下で上手くやってるってばよ。問題ない」
「返り血でドロドロになった服を私に隠すために庭先で燃やしてたんだけど」
「それは仕方ねェ……あんまり睨まないでくれってばよ」
「暗部の仕事だから詮索する気はないけど、うちの息子を宜しくね」
「……あ、そうだ!」
「唐突な閃きね。そして私はナルトくんの閃きが碌なものじゃないことを知っている」
「カカシ先生とサクモって、めちゃくちゃそっくりだよな?」
「何を考えてるのか手に取るようにわかってしまう……」
「サクモに頼んでみるってばよ。マスク外してくれって」
「……息子が火影であるナルトくんの頼みを断るわけないじゃない。職権濫用よ」
「どうしてもカカシ先生の素顔が気にるんだってばよ……!気になって夜も眠れない!!」
「書類仕事が溜まってるからでは?」
「ウツギさんもこの気持ちわかるはずだってだよ!」
「確かにわかるけども。……うーん、カカシの素顔をこの歳になって見たい火影サマ…普通に頼んだらいいんじゃないの?」
「そしたら『ダーメ!』って言われたってばよ」
「カカシは押されると引くタイプだったわ」
「ウツギさん、カカシ先生の素顔について教えてくれってばよ。もう頼れるのはウツギさんしかいない」
「えー、そうね。美人よ」
「えっ」
「何よその反応」
「美人!?男に対して美人……?」
「そう、美人。ナルトくんちなみに何徹目?」
「3徹目」
「シカマルくんのところに素直に帰りなさい。私も一緒に謝ってあげるから」
「影分身置いてきたってばよ」
「まさかの本体が訪問してくるとは。……本当に疲れてるのね」
「カカシ先生の美人な素顔が気になる」
「……うーん、歳をとっても変わらずかっこいい。ミナト先生ほど華やかな顔立ちってわけじゃないけど、色白でお肌綺麗で……笑った時なんか、ちょっと色気あるわね」
「ウツギさんが惚気てる……」
「ナルトくんが聞いてきたんだけど」
「もっと詳しく聞きたいってばよ。……そしてカカシ先生とウツギって、普段どんな感じか気になってきた」
「火影引退したのにお仕事ばっかりだから、イチャイチャパラダイスできてないです」
「ごめんなさい」



「(火影なら忍者登録書の顔写真見れるのに、ナルトくん気づかないのかしら?)」