賭け

「賭けましょうか」「え?」くるくるとコインを弄びながらコナーが呟いた。賭け、だって。何を言い出すのかと思ったけど、至って真面目な顔をしているコナーにこっちもつられて背筋が伸びた。「どうしたの急に」「特に理由はありませんが、暇そうなので」特に理由がないってすごいね、アンドロイドなのに合理的のかけらもないや。でも暇なのは事実だ、話にのってもいいかなという気分でもあった。「何をかけるの?」「コインが落ちるかどうか」「コナーの?」「そうです」「落ちるわけないよ」「可能性はゼロとは言い切れないのでは?」

ALICE+