人間は死んだらどうなるのか。
幽霊になる?天国もしくは地獄に逝く?そもそも死後の世界なんて存在しない?
色々な説はあるけれど、明確に答えられる人なんてそうそういないでしょう。
ちなみに、私は人間は死んだら3秒で転生する説を推している。
何故かって?それは私が体験したからね!


少し昔話をしよう。
私は昔、ごく一般的な社畜だった。朝起きて出社して、仕事をして、帰宅して眠り、また朝になったら起きて出社をする。そのループを何年もこなしていた。
たまの休みには好きなアニメや映画を観たり、漫画や小説を読んだり、共通の趣味を持つ友人と遊んだり、オタクライフを楽しんでいた。
特別なことは何もなかったけれど、それなりに楽しく暮らしていたと思う。
そんな一般的な社畜だった私は、ある日突然死んだ。事故死だった。どう死んだのか、今となっては詳しく思い出せないのだけれど、私はあの時、確実に二十数年の短い生涯を終えたのだ。

そして、終えたと思ったら生まれ変わっていたのだ。

転生、なんて物語の中だけだと思っていた。最初は理解できなかったし、したくなかった。だってついさっきまで大人だったのに、次の瞬間には新生児になっているだなんて……拷問でしかなった。
でもまあ、なっちまったもんはしかたない!と諦めて、全部受け入れました。
受け入れてしまえば後は楽だった。オムツとかミルクとか恥ずかしいことがひたすら多かったが、そこは心を殺した。
今振り返れば、夜泣きも少ない良い子だったと思う。そして一刻も早く成長したいと思っていた私は生後7ヶ月でひとり歩きをマスターした。その時、両親も兄も凄い凄いと褒めてくれて嬉しかった。
そして私は思った。折角前世の記憶を持っているんだから有効に使おう、と。そう、強くてニューゲームである。
そうと決めた私は、4歳から行動を開始した。片っ端から知識を詰め込んだし、親に頼んで色々な習い事もさせてもらった。
前世では、勉強はあまり得意ではなかったけれど、改めて勉強をしてみれば楽しくて仕方なかった。学ぶって素晴らしい!楽しく学んでいただけだったけど、当日は神童なんて呼ばれたりしちゃっていた。完全に調子に乗っていた。

そして、6歳の時に気付いた。
あれここ、某名探偵の世界じゃないか、と。
だって、首都は東都だし、テレビからは若手女優の藤峰有希子やら鈴木財閥やら怪盗キッドやらと聞こえてくるんだもん。
私ただの転生じゃなくて、世界越えてましたー!わー!これ、夢小説で読んだことあるぞー!
……えっ、私事件とかに巻き込まれて死なないよね?

よし、風見名前、今世の目標は天寿を全うすることに決めました。その為にも知識を身につけよう。



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