※未来捏造
※自己流の設定
※性描写あり



「本当に生身でいいのか?」
「うん」
「腕とかないし、言葉もあやしくなるぞ」
「それでもいいよ」
 私の返事を聞くと「もの好きだな」と呟いてため息を落としているのがわかった。

 遊真くんが本当の身体を取り戻した。私の前にその姿を見せてくれたのはある程度回復して、一人でも動けるようになってからだったようで、もっと早くから戻っていたらしい。お互いわかっていることとはいえ、相変わらず一番を私にしてくれないところは変わらなかった。
 今の遊真くんは三つの身体を使い分けていて、本来の身体、義手と義足をトリオンで代用している身体、あとはいつもの戦闘体。後者二つは今まで通りでとくに問題は無いのだけれど、本来の身体になってみて、今まで気づかなかったけれど言語が違うことがわかった。遊真くんはもしかしたらこっちの言葉を分かっているのかもしれないけれど、私はわからない言葉の方が多い。雰囲気とか、表情とかでなんとかコミュニケーションはとれているといった感じだ。とはいえ、換装すれば今まで通り会話はできるので、私たちはあまり不便を感じなかった。そんな不便さよりも、遊真くんが戻ってきて嬉しい、あの頃みたいにまた一緒にいられるのが嬉しくてしかたなかった。
 当たり前だけれども、私も遊真くんは大人になったわけで、久しぶりに私の部屋で二人きりになったこのタイミング、もちろんそういう雰囲気になった。あの頃は行為への興味、いつどうなるかわからないからやれることをしようという焦りとか、不安とか、単純に恋人だからこういうことするんだよねって知識とかでしていたけれども、この成長した頭と身体ではまた感情が変わってくる。
 それでも私は、私のことを遊真くんが触れてくれるのが嬉しくて、遊真くんに触れたくて、話したいこととか、感情とか全部誤魔化してその雰囲気に身を投じようと思った。
「遊真くん、トリガー解除して」
 私の言葉に遊真くんは動きを止めた。なんだか悲しそうな辛そうな表情に見えたから、どうしたのか尋ねると、言葉のことと、身体のことを気にしているようだった。
「おれ、あんまり人に見せられる身体じゃないぞ」
「うん」
「今までみたいに全部トリオン体なわけじゃないし、義手とかのでよくないか? ほとんどは生身だぞ?」
「だめ」
「あいかわらずアヤリは頑固だな」
 変わらない、なんて少し困った顔をして私の頬を撫でてくれる。あの頃よりも随分大きくなった手だけれども、遊真くんの手であることに変わりはなくてとても心地がいい。
「近界民が嫌いな私だよ? もう今さら遊真くんのこと嫌になる要素ないよ」
「そうか?」
「そうだよ。だから遊真くん、私に遊真くんのこと、もっと教えてよ」
 私の言葉に、遊真くんは驚いた顔を見せたあと、再び優しい表情になった。なんだか大人っぽいその顔に、少しだけ緊張してしまう。
「言葉、わからんかもだからな?」
「うん」
「いやでも途中で止めれないかもしれないからな?」
「いいよ」
「というか、止まれないと思う」
「わ、私もだ……」
 私が言い切る前に、遊真くんの唇によって私の言葉は途切れてしまった。何度も角度を変えて深くキスを交わす。呼吸のために一度離されて、目を開けば真っ直ぐあの頃と変わらない赤い目が私のことを捕らえていた。

「トリガー、解除」



 ぴちゃぴちゃと頭の中に直接音が届くような、そんな感覚に理性をもっていかれそうになるのを必死に耐える。キスってこんなにいいものだっただろうか。おれ自身は久しぶりで、生身では初めての刺激に、ただでさえ痛いくらいの下半身がさらに疼く。
 アヤリが生身に戻ってほしいなんて言うからトリガーを解除したけれども、左しかない腕、右しかない足、なんとかしてあるけど跡の残った横腹と、いつもは眼帯で隠している無くなった左目。本来ならば死んでいるはずのこの姿はあまりにも醜いはずだ。それでもアヤリの言葉が嬉しくて、こんな自分のことも受け入れてくれるような気がして、カノジョに甘えてトリガーを解除した。
「ん……、ふ、あ……」
 キスをしながら漏れるアヤリの声に、もっと、という感情が湧き上がるのを感じる。アヤリの頭が離れないように左手で押えて、そのままベッドに押し倒す。ぼふんと音を立てる掛布団からはアヤリの匂いがして、さらにくらくらとさせられるようだった。
 今の欠けた身体だと、前みたいにはいかないのがもどかしい。唇を話せば名残り惜しそうに糸が伸びるけれど、そんなものに構ってられない、左手をアヤリの服の中に入れれば身体がびくりと跳ねる。
「……む?」
 あんなにしてきたのに、逆の手になるだけで下着のホックを外すのが難しい。おれが困っているのがわかったのだろう、アヤリが「ふふっ」って少し笑って、自分で外してくれた。ありがとうって伝えたいけれど、お互い生身の状態だから、なんとなくはわかってくれる気がするけれど言葉はたぶん通じない。だからその意味を込めて、アヤリの額にキスを落とす。
 アヤリが外してくれた下着の中に手を入れれば、すぐに柔らかさの中心にある、硬くなった突起を見つける。少し掠めるように触れれば、大きく跳ねる身体と小さくて短い声。ここが敏感なのは変わってないらしい。
「すごい、硬くなってるな」
 伝わらなくていい、言いたくなったから呟いて彼女を見れば、「……言わなくていい」と顔を真っ赤にして横を向いてしまった。言葉が違っても、伝わったのが思ったよりも嬉しくて、少し怒ったその顔がずっと好きで、もっともっとと止まらなくなる。下着と上着を捲るように動かしながらアヤリを見れば、恥ずかしそうにしながら自分から全部脱いでくれる。前みたいに全部脱がせたりしたい反面、自分から脱ぐ姿もなかなかにいい。
「あっ、んん……、んぅ」
 露になったアヤリの胸を、左手で触りながら舌でも刺激していく。控えめな喘ぎ声と、大きく震わせる身体、喘ぎ声は言語が関係ないのはありがたい。この反応が好きでずっとしていたいけれど、残念ながら今日のおれはそこまでする余裕がなくて、胸を触っていた左手を、腹をなぞるようにして下に触れる。
「あっ……!」
「かなりぬれてるな……」
 少し力を加えたら、簡単におれの指を飲み込んでいく。顔を横に振りながら声を漏らし続けるアヤリ、きっと気持ちいいんだろう、どんどん溢れてくるそこはもう十分、準備ができていると言わんばかりだった。
 おれもだいぶしんどいな。早く、もっと、それしか考えれなくなってきそうで、指をアヤリのナカから抜いて、自身の服を脱ぎはじめる。スムーズにはどうしてもできないおれの様子を見てながら、またクスクスと小さく笑っているアヤリ。なんだか余裕そうで少しむかついて、脱いだズボンを顔面目掛けて投げてやる。驚いたような声が聞こえた気がしたけども、ズボンがかぶさっててよくわからなかった。
 なかなかアヤリがズボンを取らないため、自分で投げたズボンを自分で取ると、いざという流れを察していたのか、恥ずかしそうに、だけど期待しているようにも見える、そんな表情を浮かべたアヤリがいた。これはなかなか……。
 もういい、アヤリが悪い、そう決め込んで、アヤリの十分湿ったソコに、自身のソレをあてがうと、アヤリがベッドの引き出しを指差していた。ここにきてなんだと引き出しをあけると、以前、自分はトリオン体だから関係ないなと聞き流していた避妊具、こんどーむというやつが入っていた。一つ手にとってアヤリを見れば、こくこくと首を縦に振っていた。そっか、もういるのか。口と左手で封を開けるが、左手でする自信が正直ない。
 おれの手からそのこんどーむというやつがアヤリに持っていかれて、おれのソコにアヤリの両手が触れていた。悩みながらも手を進めるアヤリに愛しさと、同時にあんまり刺激しないでほしさもあって、頼む、早くと願うばかりだった。アヤリがやっとできたと言わんばかりに、両手を広げたのと同時にそのまま覆い被さる。あまりの勢いからか、目を見開いていたけれど、アヤリはそのままおれの無くなった側、左目にかかる髪をかきあげて「――――――」となにか言ったあと、あの頃と変わらない赤い目と表情をおれに向け、両手を広げた。アヤリの手の中に入るように体重をかければ、ズブズブと中に入っていくのがわかる。
「っ、はぁ……、はいった」
「ん……」
 異物感はどうしてもあるだろう、表情を歪めながら耐えているアヤリの顔も悪くない。いや久しぶりなのにそれはまずいだろと、自問自答しながら腰を動かせば、動きに合わせてアヤリの声が漏れるのがわかる。
「もっと出せばいいのに……」
「……?」
 これは伝わらなかったようで、首をかしげる姿を見せる。潤んだ目でそれはよくない、おれも男だから、結構単純で、そういうのは下に響く。正直だいぶ限界が近い。
「アヤリ、いい……?」
 口の動きから伝わればいいなとゆっくり口を動かせば、とろんとした顔を浮かべながら、ゆっくりとうなづいてくれた。それを合図に律動を激しくすれば、背中に掴まるアヤリの手に力が入って、爪が食いこむ痛みがあった。
(おれ、戻ったんだな……)
 アヤリから与えられる快感と痛みに、また愛おしさを感じて、唇を深く重ね、そのまま欲を吐いた。アヤリも同じタイミングだったのだろう、身体がビクついていて、少しでも早くその震えが治まるように、アヤリを左手で抱きしめた。





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