※R18、未来捏造
※未来捏造
※遊真くんが生身に戻ってる
ぐちゅ、っという水音、肌の重なり合う音。普段じゃ聞くことのない乱れた呼吸、自分の喘ぐ声。何度この状況に陥っても慣れることはない。彩里は快感で真っ白になっていくなか、彼が無事に生身に戻りそれでもこういう関係でいれることが嬉しいと考えていた。
「なに考えてるの?」
そう問いかけると同時に遊真は彩里の一番奥に自身を突き刺した。
「んんっ、ゆ、まくんっ、ふか、いよ」
「奥好きだろ?」
「あっ、う、ん……」
右手と左足だけで自身を支えながら、腰を打ち付ける。遊真が動きにくくないように、彩里は快感に負けじと身体のバランスを崩さないように耐えるので必死だった。
「別に、そんなにしなくても大丈夫だぞ」
「わ、私がしたいだけ、だからぁっ」
「そうか、ありがとな」
でも、ごめん。もう出る、と遊真の言葉と共に中の遊真が熱く、大きく震えるのを感じた。
「っはぁ、んん……」
「ふぅ、きもちよかった」
ティッシュで後始末をしたあとにお互いに横になる。遊真は生身に戻ってから身体も大きくなり、眠れるようにもなった。人並みに疲れ、眠る。彩里は服を着ずにすぐに寝息を立て始めた遊真を確認して自身も目蓋を落とす。
「アヤリ、出すぞ……」
「んんっ、んあ……、もう……?」
今夜も二人は交えていた。それは本当に幸せで何度でもしていたいと思う。だからそれはただ、少し気を緩めただけだった。言わないように気をつけていた言葉をつい、口に出してしまったことに彩里は後悔した。
トリオン体の頃に比べて遊真はもちろん体力が落ちた。今までは仮の身体、生身で性行為するのとは感じ方も違ったのだろう。トリオン体の頃から続けていたこの行為とはいえ、生身にとっては初めてに近しい。理解はしているけれど、今まで遊真の底なしの体力と与えられる刺激を受け入れ続ける彩里は物足りなさを感じていた。
「アヤリ……?」
「いや、あの、ほんとごめん……」
「ずっと物足りなかった?」
「そういうわけじゃなくて……」
「ウソ」
こうなったら逃げられないことなどわかっていた。彩里は今までの行為の時間とのギャップに戸惑っていること、もっとと強請ることも身体を案じてることはもちろんだが、引かれるんじゃないかと不安だったこと全て話した。
「お前、おれがいない間どうしてたの……」
「それは、それで平気だったんだけど……」
「おれとまたするようになってから我慢できなくなった?」
「ちが、違うよ!」
「はい、またウソ」
なにも言い返せなくなり口を閉じれば、遊真は笑いながら「話してくれてありがとな」と彩里の頭を撫でた。怒っていない様子に安堵するが、やはり傷つけたのではないかと心配でたまらない。
「あの、遊真くん。気にしなくていいからね」
「ん? まぁこれはなんとかするからアヤリは安心していいぞ」
「いや、なんとかって……」
「とりあえず寝ようぜ。おれはもう眠いぞ」
「うん、おやすみ…」
「アヤリ、おやすみ」
彩里の額に軽くキスを落として遊真は眠りにつく。なんとかするってどういうことなのだろうか、彩里はその一言が気になり続け、今晩もあまり寝付けなかった。
――あれ以降、遊真との性行為はなくなった。
もうすぐ二ヶ月が経つだろうか、今までやれることをやれるうちに、をモットーにしていた二人にとって二ヶ月近くそういう行為がないというのは、どちらかが不在の時のみだった。しかし、今は本部では顔を合わせ、二人で今まで通り星を見ることもある。性行為だけぽっかりと穴が空いたようになくなってしまったのだ。
平気そうだと思っていたけれどやっぱりひどいこと言ったよね……。とここのところずっと考えていた彩里は誰かに相談できる内容ではないため抱え込んでいた。それと同時に一緒にいるのに抱いて貰えないことに自身の性欲と戦っていた。自分から触れたり誘ったりすることは得意ではない、全て遊真に任せてきた自覚があった。
負担をかけてしまってきた、嫌われただろうか、もしかしたら他の女の人と……、なんて嫌な考えはどんどん浮かぶ。それを振り払うように自身の本部の仕事に取り組もうと廊下を歩み進める。
「お、いたいた」
「遊真くん」
正面からトリオン体に換装したままの遊真の姿があった。欠損した手足もあり、自身の足で歩くことができるため、防衛任務にも支障は無いようだった。
「防衛任務?」
「そう、帰ってきたとこ」
「お疲れ様」
「うむ。あ、そうそう。今夜アヤリの部屋行くから」
「え……?」
それだけ告げて遊真は去っていく。そこに残された彩里はその言葉をどう受け止めたらいいかわからず、去っていく姿を呆然と眺めることしかできなかった。
*
「おかえり」
ぐるぐると遊真のひと言を考えながらではもちろん仕事は捗らなかった。なんとか終わらせ、いつもより遅めの退勤をする。部屋は本部内にずっと借りたままなのですぐに帰ることができるのがありがたい。扉を開ければ既に換装を解いた遊真がくつろいでいた。どうやら待たせてしまっていたらしい。ひとまず彩里は荷物を置いてベッドに腰かけた。
「ただいま、遊真くんご飯は?」
「もう食べた。アヤリは?」
「仕事しながら簡単に済ませてきたよ」
「そっか、じゃあいいな」
何がいいのだろう、彩里がそれを言葉にすることは叶わなかった。
本当に一瞬、仕事で疲れた頭ではなにが起きたのか把握することができなかった。視界に広がるのは自室の天井と彼の顔。彩里は遊真に片腕で器用に押し倒されたことしか理解できなかった。
「えっと、遊真くん……?」
「おれさ、あれから色々してみたんだよな」
あれから、というとたぶん二ヶ月近く前のあれのことだろう。気にしていたのは自分だけではなかったと安堵するが、色々したという点に関しては見過ごせなかった。
「色々って……?」
「自分でするときになんか我慢とかしてみたり」
「でも自分と人とじゃ、全然感覚違うんでしょ……?」
「らしいな。だから今日はその成果をアヤリで実践」
ペロリと舌なめずりをする姿にドキリと心臓が鳴ったのを感じた彩里は、なんとなく今夜は大変なことになる予感がした。
「早くアヤリが抱きたかったけど結構我慢したんだぞ」
「そう、なんだ」
「だからもういいよな。アヤリも限界だろ?」
恥ずかしいことに性行為を行いたかったのは事実であって、正直限界が近かった自覚もある。
「服、脱ぐから一回どいて」
「そうか。おれも脱ぐ」
お互い身体を起こして下着姿になる。遊真が服を脱いだのを確認して今度は彩里が遊真に馬乗りになった。
「アヤリ?」
「私だって我慢してたんだもん。今日は満足するまで付き合ってくれるよね……?」
「ほお。望むところですな」
遊真は彩里の手を引いて自分に倒れ込むように誘導する。肌が重なる部分が妙に熱く感じて、その熱に身を溶かすように二人はベッドに身体を沈めた。
――どのくらいの時間が経ったのだろうか。いつも以上に長い時間交えていた二人はベッドで横になっていた。いつもすぐ寝ていた遊真はまだまだ元気な様で、隣の彩里はぐったりと疲れきっていた。
「こんなの、きいてない……」
「がんばったかいがありましたな」
「……トリオン体のときより、長くなった気がする」
「鍛えましたのもので」
「ここまで変わると思ってなかったよ……」
「これでいつでもアヤリを好きなだけ抱けるな」
にやりと笑う遊真を見て、彩里はいつになっても彼には敵わないと目を閉じた。
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