「間に合わなかったです…?」
「あぁ、さっき終わったところだ」
「強かったぜ、人型近界民。梨本ももう少し早く来れてればな!」
「いや、別にいいです。その分トリオン兵倒してきたので」
私が南側にいる東さん筆頭の合同部隊に辿り着いた時には、米屋先輩、出水先輩、緑川くんも合流して人型近界民を倒した後だった。丁度、この後の動きについて話しているところだったらしい。同じ場所から出発した緑川くんに「先輩なにやってたの?」なんて言われてしまった。トリオン体とはいえ、私はそんなに足が速くないし、なにより寄り道してしまったのが原因だろうけど、そのまま正直に答えるのも悔しいので「トリオン兵をたくさん倒してきたから」とだけ伝える。
「遅れちゃいましたけど、私もB級合同部隊に参加します」
「あぁ、頼むぞ」
「おれたちはさっきも話しましたけど、C級のサポートに行きます」
「じゃあね、あやりん先輩」
「遅れたぶん働けよー」
「わかってますって」
A級の三人の背中を見送って東さんたちについていく。向かう先は基地南部、北から走ってきてさらに移動。迅さん、私が頑張ることはとにかく走って移動することなんでしょうか。
自分の働いてない事実に罪悪感も覚え始める。その場にいなかった、トリオン兵は倒している、というのは言い訳でしかなくて、指示通りに動いていたとしても他のみんなは強敵と戦っている。私は今のところ、黒トリガーどころか人型にも出会っていない、新型も誰かの倒したものしか見ていない、戦場で強敵と出会わないというのは運が良いことなのかもしれないけれど。
南部に来てからも結構の数を倒したような気がする、何部隊かの合同なため人数が多く、有利に動けることがもちろん関係していると思う。とにかく今は私自身が納得していなくとも、私たちに求められている働きはできているようだった。
次の指示を求めようと東さんを見ると、誰かから通信が入っているようだった。話の最中にこちらを確認する動きがあったのが分かったが、またトリオン兵が出てきたのでそっちに対応する。
「梨本」
「東さん?」
「次の指示を伝えてもいいか」
「はい、もう倒せますし」
「悪いがさっきC級のサポートに行った米屋たちの手伝いに行ってくれ。位置は送っておくから」
「米屋先輩たち? って、えぇ、また結構戻るんですね……」
「悪いな、指名だ」
「なんで私なんですか?」
「どうやら狙撃手が欲しいようでな」
東さんの言葉に自然と拳に力が入る。どうやら迅さんの言った頑張りどころが来たのかもしれない。
「お前の腕なら大丈夫だよ。頼んだぞ」
東さんの言葉に頷いて、戦っていたトリオン兵を斬ってすぐに目的の方向に走り出す。やれやれ、また移動だ。
_ /reload/novel/2/?index=1