「それはダメよ……。 お祖父さんが60歳の時だったかしら。たまたま散歩していたら、川に大きな桃が流れていたらしいわ。拾おうとしたら、足を滑らせてしまったの。溺れかけていたお祖父さんの命を救ったのが葉桜 月夜くんのお祖父さまなのよ……それ以来、ふたりとも息統合しちゃって、そんな話になったみたいだし……でも、困ったわねぇ〜」 「…………」 「…………」 母さんの口から聞かされた祖父さんの過去。 その話に、俺と花音はほんの一瞬、言葉を失った。 ……というか、大きな桃ってなに? その話、どこかで聞いたことがあるぞ? 川で溺れかけたって……どこの昔話だよ祖父さん!! 「はああっ? ばっかみたい!! あたし、ぜったいぜったい、ぜったい、イヤだから!!」 ツッコミどころ満載な祖父さんの過去は、どうやら火に油を注いでしまったらしい。