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宴はその様子に、自分が先程から立てていた仮説が強められた事を知る。

こんな事を聞いて来たのは、もしかしたらこの二人の内のどちらかの記憶が無い為なのではないかと。

そして、勇は少なくとも此処最近の記憶はあると思われる。

だからその可能性があるのは、最近突然現れたというひかりだ。

宴はそれを確かめるべく口を開く。

「どうしてこんな事を訊くんです?貴方達に、何かあるんですか?」

二人は一瞬目を合わせた。

それから、ひかりが向き直って頷く。

「そう。私には、記憶が無いの。勇と私の名前以外は、何も覚えてない」

「……そうでしたか。それでは色々と不安な事もあるでしょう」

気遣うように言われて、ひかりは首を振った。

「ううん、大丈夫。勇がいてくれるから」

「……成程」

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