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「『空の色は何色 夜明け前の淡い紫』……」

「おい」

学校からの道を歩きながら、勇がじろりと隣を歩くひかりを見た。

「何?」

ひかりがきょとんと見上げて来る。

「変な歌を歌いながら歩くな」

今日は朝から曇っていて、空はひかりの歌にあったような紫などではなく、雲が掛かる灰色だった。

ただでさえ気が滅入る道行きに、脳天気な歌はかえってそれを増大させる。

「変な歌じゃないもん!」

ひかりが持っていた傘を振り回して攻撃を加えて来たが、素早く傘で防ぐ。

ひかりは尚もていていと傘を竹刀のようにして打ち込んで来るが、勇は慣れた様子で表情一つ変えずに傘で受け流す。

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