07
「冴凪さん?冴凪さん!」
誰かに名前を呼ばれ、意識が覚醒する。
目を開けると、年若い娘の心配そうな顔が見えた。
一瞬昔の恋人かと思った自分を嘲笑いながら、息を吐き出す。
「ああ、華原君か」
「報告の時間ですので訪ねたのですが、声を掛けても返事が無くて。失礼ながら、勝手に入らせて頂きました」
真宵はいつもの引き締まった表情に戻ると、背筋を伸ばして説明した。
「そうか。手間を取らせてすまなかったね」
「大丈夫ですか、冴凪さん。かなりうなされていたようですが」
「……少し、悪い夢を見ていたものでね。君が起こしてくれて助かったよ」
「そうですか。お役に立てて何よりです」
感情の読ませない顔で頷いた真宵は、それ以上何も訊いては来なかった。
彼女なりに気を遣ったのだろう。
- 30 -
[*前] | [次#]
しおりを挟む
ページ:
Reservoir Amulet