再奥


仕事を終え、着替えて奥から出て来たところで、突然声をかけられた。

「お疲れ様です。仕事は終わりましたか?」

「あ、真宵【まよい】さん!こんばんは」

親しげな笑顔を向けてくれているのは、華原【かはら】真宵だ。

同じ店で働く先輩、五十嵐至聖の恋人であり、来る度に声をかけてくれる。

「五十嵐さんでしたら、もうすぐ来るかと……」

「ああ、ええ。それもありますけど。桔梗さんにも会いたくて」

そう言われて、思わず目を瞬く。

「私ですか?嬉しいですけど、どうして……」

「最近、色々あったと聞いたので。元気かと思って」

そこへ、至聖の穏やかな声がした。

「あ、真宵さん!嬉しいな、俺に会いに来てくれたんだね」

「違います。私は桔梗さんに会いに来たんです」

真宵はクールにきっぱり言い返す。

「仕事が終わったのなら、行きましょう。此処にいては迷惑になりますから」

冷静な真宵に促されるまま、店から外に出る。

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