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クリスマスの夜は明け、朝が来た。

今朝は霄瓊【しょうけい】も珍しくゆっくりしていて、二人揃うアパートの一室は食後の穏やかさに満ちている。

此処で暮らすようになってすぐに霄瓊が買って来た大きめの湯飲みで緑茶を啜りながら、静嵐【せいらん】は新聞を広げていた。

何か目新しい情報は無いかと新聞をめくる静嵐の向かいで、霄瓊は本を読んでいる。

バイト先の店長から、是非読むようにと勧められた本らしい。

それを聞いて怪しい本ではないかと警戒して盗み見た表紙には、『流星戦士★ながレンジャー!!温泉旅行でどっきどき!?』とあった。

どういう本なのか確かめるまでもなく、下らない内容に違いない。

何を勧めているのかと呆れ返った静嵐を余所に、霄瓊は真剣な表情で黙々と読んでいる。

そして、やがて感極まった様子でハンカチで目元を拭い出した。

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